第二十五話 人魚の魂
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エルザの問いに、コバルトさんは頷く。
グ「でも、何で人魚の時は怯えなかったんだ?人魚なんて架空の生き物だろ?」
コ「「架空」ではない。人魚は実在する生き物じゃ。」
ハル「マスター!歴史本持って来ましたーっ!」
コ「おぉ。グッドタイミングじゃ。ありがとうな。」
コバルトさんはハルトから歴史本を受け取ると、目を閉じたまま本のページを捲り始めた。やっぱり・・・見えてる、のか・・・・?
コ「おぉ。あったあった。このページじゃ。」
コバルトさんが目を閉じたまま開いたページには青く透き通った大海原を泳ぐ人魚の絵が描かれていた。
ル「これって、ルーベリーの海?」
コ「そうじゃ。ルーベリーの海には昔人魚が暮らしていた街で有名じゃ。この絵もその時に描かれたものじゃ。」
俺達はその絵を見つめる。色鮮やかな鱗を纏った魚の尾鰭をを持つ人間が海を泳ぐ姿・・・ダメだ。想像もつかねぇ。
ナ「でもこれ、絵だろ?」
ハ「ただ想像で描いただけの絵かもしれないよね。」
やっぱり、絵だけを見せられても信じる事は出来ねぇや。
イ「マスター!初代ギルドマスターの写真を持って来ましたーっ!」
コ「おぉ。グッドタイミングじゃ。ありがとうな。」
コバルトさんはイレーネから額縁に入れられたハッピーやシャルルと同じくらいの大きさの写真を受け取る。
コ「これが、初代海中の洞穴のギルドマスター、ブルー・シェルフ様じゃ。」
コ&ハル&イ以外「!!!??」
写真を見た俺達は息の呑んだ。写真に写っていたのは腰近くまであるウェーブの掛かった金髪に海を連想させる透き通った青い瞳、裾にフリルの付いた紺色のトップスを着た、ルーシィやエルザと同い年ぐらいの女。腰から上まではどこにでもいる感じの極普通の女だが・・・
下半身は、青い鱗で覆われた魚の尾鰭だった・・・
ル「に・・・人魚・・・・」
ルーシィが目を見開いたまま呟いた。
コ「これは絵ではない。X736年に撮られた写真じゃ。これを見ても、まだ信用出来んかね?」
写真の隅っこに、「X736年 8月8日」と黒いインクで書かれていた。
コ「街で人魚が見られなくなったのはX736年。この写真は、ブルー・シェルフ様がお亡くなりになる直前に撮った写真じゃ。つまり、街で最後の人魚は、ブルー・シェフル様じゃ。今までの奇妙な出来事で人魚が目撃されても大騒ぎにならなかったのは、その人魚がブルー・シェルフ様の魂だと思ってたからじゃ。」
そこまで言うと、コバルトさんは椅子から立ち上がった。
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