第七章
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第七章
「それは貴女にもわかりますね」
「はい、それは」
「では。貴女の思うようにするのです」
母親としての言葉をまたカヨに告げた。
「堂々と。胸を張って」
「お母様、それでは」
「娘によき夫を薦めるのは母の務め」
また母という言葉が出された。
「だからです」
「有り難うございます」
「それでは小野田様」
また小野田に対して声をかけてきた。相変わらず顔は正面の彼を見たままであった。
「娘を。宜しく御願いします」
「はい、こちらこそ」
頭を垂れてきたセツに応えて彼もまた頭を垂れるのだった。
「必ず。娘さんを」
こうしてカヨは小野田の妻となることになった。昭和の初期、今となってはもう昔の話である。小野田とカヨが結婚したその時の写真を見て小さい女の子が母親に尋ねていた。
「この写真って誰と誰なの?」
「佳代子のひいお爺ちゃんとひいお婆ちゃんよ」
母親は優しい声で娘に答えた。写真は壁に飾られている。
「これはね」
「そうだったの」
「お母さんのお爺ちゃんとお婆ちゃんになるわね」
「お母さんのお爺ちゃんとお婆ちゃんになるのね」
「そうなのよ。佳代子は会ったことはないわよね」
「うん」
お母さんの言葉にそのまま答えるのであった。
「だって。私が生まれる前に二人共死んだのよね」
「そうよ。お爺ちゃんは戦争で片腕を失くしてね」
このことも娘に対して言うお母さんであった。
「それからもずっと頑張っていたけれどお母さんが中学校に入る時に」
「死んだの」
「そうよ。お婆ちゃんはお母さんがお父さんと結婚したすぐ後に」
死んだというのだった。つまり佳代子が二人を知っている筈はないのだ。
「だからね。佳代子が知らなくても不思議じゃないのよ」
「そうだったの」
「いい人達だったわ」
懐かしむ顔で述べた言葉だった。
「とてもね。優しくて心が奇麗で」
「心が奇麗だったの」
「そうよ。本当にいい人達だったわ」
このことをまた佳代子に語ったのだった。
「佳代子の名前はね。そのお婆ちゃんから取ったのよ」
「私の名前もなの」
「お婆ちゃん、佳代子のひいお婆ちゃんの名前はカヨっていったの」
「カヨ・・・・・・」
「そう、小野田カヨ」
名字まで佳代子に教えた。
「そういったのよ。これがひいお婆ちゃんの名前よ」
「小野田カヨなのね」
「そうよ。ひいお爺ちゃんは軍人さんだったのよ」
「軍人さんだったの」
「自衛隊の人いるわね」
「うん」
自衛隊についてはテレビ等で少しずつ観て聞いていた。しかし彼女にとってはこうした存在でしかなかったのである。
「お祭りとか開いたり地震が起こった時に私達を助けてくれる人達のこと?」
「ふふふ、間違いじゃないわ」
娘の今の言葉を否
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