第七章
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定はしないお母さんだった。
「確かにね。それが仕事だからね」
「そうなの」
「けれど。人を守るのも仕事だから」
戦うことをこう言い替えて娘に教えた。
「ひいお爺ちゃんは人を守る為に戦ってきたのよ」
「偉い人だったんだ」
「偉いのは。心だったの」
それこそが偉かったのだとまた娘に教えた。
「そのひいお爺ちゃんとひいお婆ちゃんがねお母さんが小さい頃に教えてくれたことがあるのよ」
「何なの?」
「人の心を見なさいってことよ」
このことを今佳代子に教えたのだ。
「人の心をね。顔や生まれや立場じゃなくてね」
「心を見るのね」
「そうよ。ひいお爺ちゃんとひいお婆ちゃんもそれを教えてもらったのよ」
「誰に?」
「ひいお婆ちゃんのお母さんよ」
優しい声で娘に語った。
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