SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
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あのとき、アルゴさんがあたしたちに提案した内容は、タダで情報を教える代わりに、その情報が正しいかどうかを調べて欲しい、というものだった。
『――――……オイラの持っているSAOの情報の多くも、ベータテスト時のものがほとんどなんダ。だけど、もしかしたら《それら》は、ベータテスト時と正式サービス時では、変更点や差異があるかもしれナイ。これでも誇りある情報屋としては、そんな不確定な情報を《商品》として扱うことはなるたけしたくナイ。……そこで、キミたちに協力して欲しいことがあル。他の者に先行してキミたちに様々な情報をタダで教える代わりに、その情報が正しいか、もしくは何処がどう違うのかなどを調べて貰いたいのサ!』
昨日の、アルゴさんの言葉を思い出す。芝居がかったような口調で、胡散臭さは爆発してたけど、何故かあたしはその言葉を疑う気はしなかった。
「それに、もう貰うものは貰っちゃってるしね。後には引けぬ、ってやつだよ」
そう言ったあたしの手には、一冊の冊子があった。
《エリア別攻略本》。詳細な地形から出現モンスター、ドロップアイテム、クエスト解説まで網羅されているアルゴさんお手製の本らしい。ご丁寧に表紙下部にでかでかと【大丈夫。アルゴの攻略本だよ。】と書いてある。これはそのエリア毎の村の道具屋に委託販売する予定のものらしい。既に95%ほど完成しているらしいけど、残りの5%の情報の調査を、あたしたちに依頼してきたのだ。
「と言っても、今までほとんどと言っていいほど差異は無かったって言ってたッスよね? わたしら、ホントに必要なんスかね?」
「……チマの言う事も解るが、この先、情報に敏い者に知り合いが居るというのは心強い。寧ろ今はあのアルゴという者が本当に信用できるのか、それを見定める期間だと思えば良い」
キリュウさんの言葉に、チマもようやくぶつくさと言うのは止め、次に行く場所のことで道中盛り上がった。
それから約二週間、あたしたちは第一層の色んな場所を回った。
まだ行ったことのない村はもちろん、遺跡、洞窟など、モンスターの巣窟にも行った。
アルゴさんがくれた攻略本は良く出来ていて、たまにドロップ品やらフィールドに落ちているアイテムやらの差異はあれど、特に気になるような差でもなかった。私たちが調べ終わったエリアの攻略本は、なんとそのエリアの村の道具屋で委託販売されるらしい。
あたしたちも手伝ったものが、他の人の役に立てるのなら、それは当然気持ちが良い。
最初は文句を言っていたチマも、アルゴさんを見極めると言っていたキリュウさんも、その本の正確さや解りやすさ、そしてその本の目的を知っていくうちに、アルゴさんに対して少しは壁が無くなったような気がする。
そんなアルゴさんには、定
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