SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
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ギナーさんには優しく、がモットーのアルゴさんだからネ。色々アドバイスするのはやぶさかではないヨー」
「……」
キリュウさんが、アルゴさんを無表情で見つめる。しかし、当のアルゴさんは何処行く風で話を続けた。
「さっきの質問だけどネ。基本的にミンナが知っているSAOの情報ってのは、《ベータテスト時代のもの》なのサ。それが正式サービスになって何処まで変わっているかは解らないガ……ベータテストでは、ボスにはレイドPT二つで当たるのが相場だと聞いタ。犠牲無しにしたいのならネ」
――あれ? 今なんか変なイントネーションが入ったような……?
まあ、アルゴさんの話し方は元々、語尾に変なイントネーションは入ってるけど。
「…………なるほど。では、戦力が集まるまで此処で足止め、ということか?」
「そういうことに、なるんだろうナー。…………にひ。そ・こ・デ! オイラからキミたちに提案だ」
「?」
突然、立ち上がってあたしたちを見下ろすアルゴさん。……でも、元々が小さいから目線は殆ど変わらないけど。
「さっきも言ったとおり、戦力が集まるのはまだまだ先ダ。だからキミたちも、それまでにボス戦に向けてレベル上げや装備を整えるべきじゃないカ?」
両手を広げて訴えるように言うアルゴさん。確かに、時間があるならそうした方が良いのかもしれない。
「……で?」
「うン?」
キリュウさんが、鋭く睨みながらアルゴさんに問いかける。
「……提案、と言うからにはそれだけではないのだろう?」
そう言ったキリュウさんの言葉に、あたしたちは息を呑み、アルゴさんはニヤリと笑った。
「にっひっヒ、話が早いネ。そうでなくチャ……それで、提案というのはネ…………」
その翌日の早朝、あたしたちはトールバーナの町を後(あと)にしていた。だけど、迷宮区に行くわけではない。
「――いまさら……なんスけど、あのアルゴって人の話、ホントに信じてもいいんスかね?」
トールバーナから東へ向かう街道を歩いているとき、あたしの左隣りにいるチマが話しかけてきた。
「確かにあやしい感じの人だったけど……ウソは言ってなかったと思うよ? まあ、ただの勘なんだけど……」
「……そう、だね。私もネリーと同じ意見かな」
あたしの答えに、右隣を歩いているレイアも同意してくれる。
「……アルゴの言っていたことは、だいたい筋が通っている。あの町にまだ誰も来なかった理由も、あの《提案》も。……尤も、チマが不安に思うのも仕方のないことだろう。まあ、俺とて一から十まで、彼女の言い分全てを信じた訳ではない」
いつも通りあたしたちの前を歩くキリュウさんが、前を向いたままそう言った。
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