SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
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だけどアルゴさんは、余裕な笑みを浮かべながらチマに手の平を向けて制する。
「まぁまぁ。興奮しなさんナ。……出来ればまずは、コチラの質問に答えてもらえるかナ?」
「……交換条件、ということか」
腕を組みながらキリュウさんが言う。
「そーゆーコト! こちとら情報屋だからナ。タダでぺらぺらと話すわけにもいかないんだヨ。……とはいえ、キミら情報屋は初めてみたいだし、初回ということで、こっちの質問に答えてくれれば、さっきの疑問にも答えてあげるヨ。……どうだイ?」
あたしとレイア、チマは顔を見合わせると、同時にキリュウさんの方を見た。此処はリーダーさんの意見に従おう。
「…………解った。そちらの質問を聞こう」
数秒間、考えるようなそぶりの後、キリュウさんはそう言った。
それを聞いたアルゴさんは、さっきみたいなニタァというような笑いじゃなく、パアァと花が咲くような可愛い笑顔を見せた。
――くうっ、あっぶなぁ。無意識にハグしようとしちゃったよ……。
鋼鉄の意志で己を自制したのは、見る限りきっとあたしだけじゃない。
「ではでハ、さっそく質問ダ……」
アルゴさんが訊いてきたのは、あたしたちの名前から始まって、《はじまりの街》から此処まであたしたちが旅してきた道順。現在のあたしたちのレベルと装備。第一層迷宮区の攻略階層と、そのマップデータ。そして、これまで出会ったプレイヤーのことなんかを質問された。
「……ふーむ、なるほどなるほドー。にゃハハ、まさかそう来るとはネー」
あたしたちの話をずっとにやけながら聞いているアルゴさん。特にエウリア村でのレイドクエストや、そこで手に入れたレイアの鞭に興味深々みたいだった。
あたしたちの話が終わると、アルゴさんは目を瞑ってぶつぶつと数秒間、何かを呟いていたかと思うと、いきなり目を開けて、こちらに笑いかけてきた。
「…………解ったヨ、ありがとウ。んじゃ、今度はこっちの番だナ」
あたしたちにお礼を言ったアルゴさんは、先ほどチマの言ったことについて話し始めた。
「えーとネ……今、このSAOでのトッププレイヤーと呼ばれる者たちは、自己のパワーアップを重点的に行っていル。来るべき《ボス戦》に備えて……ネ。それはレベル上げだけではなく、自身の装備の充実なども含まれル。強い武器を落とすMOBや、貰えるクエで装備を整える。そしてそれらを強化するための素材アイテムの収集。そんなことをしているんダ。…………だけど、正直そういう奴らは一万といるプレイヤーの中でも、ホンの一握りサ。ほとんどのプレイヤーは、未だ《現実世界からの救出》という望みを捨てられず、はじまりの街に篭っているみたいだネ。まあでも、遠くないうちに引き篭もってい
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