SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
抱きしめるのを躊躇ってしまうような空気……そんな感じかな。
「……情報屋、さん……ですか?」
首を傾げながらレイアが、その女の子に訊いた。
「そウ! お金さえ貰えればどんな情報でも売るシ、調べル! まだ見ぬフィールドの特徴、そこに湧出するモンスターの攻撃パターンやら弱点やらの詳細な情報! 欲しいアイテムをドロップするモンスターが居る場所やそいつが落とす確率! その他諸々! これらの情報を他に先駆けて調べ、《商品》としてプレイヤーたちに売るのが……このオイラような、《情報屋》という訳なんダ」
女の子は、その小さい体を目一杯反らしながら言ってきた。
「ほへー」
「……は、はぁ」
「な、なるほどッス」
呆気に取られたような相槌を打つあたしたち三人。
でも、なるほど。常にキリュウさんも言ってるけど、情報というものはかなり重要だ。まったく知らないモンスターと、攻撃方法や弱点が解っているモンスターとでは、戦うときの危険度はまるで違う。お金を払ってでも買う価値はあるのかもしれない。
でもそんなことより、あたしには気になって気になって仕方のないことがあった。
「あ、あのっ。その《おヒゲ》っていったい……?」
アルゴさんに両のほっぺに三本ずつあるおヒゲのペイント。さっき自分で《鼠のアルゴ》って名乗ってたけど、もしかしてキャラ作り?
「ああ、コレ? にゃはハ、悪いけどこの理由は話せないナ〜。どうしてもというなら考えないでもないけド……」
そう言ってアルゴさんは親指と人差し指で作ったわっかを見せてくる。
あたしはそれに、あははは……、と乾いた笑いしか返せなかった。
「……で、その情報屋が、俺たちに何か用か?」
キリュウさんが不意に口を開いた。そうするとアルゴさんは、にひひと笑いながら隣の丸テーブルの席へと座って此方を向いた。そして、一人だけ立っているような状態になっていたことに気づいたあたしは、そそくさと再び席に座った。
「キミたちは知ってるカ? この町に一番最初に来たプレイヤーが……実はキミたちだった、ってことニ」
いきなり、アルゴさんがそんなことを言った。
確かにこの町や、迷宮区ではまだ他のプレイヤーは見たことはなかったけど、あたしたちが一番乗りだってことは知らなかった。
「……その様子じゃ知らないみたいだネ。こっちも驚いたヨ。予想じゃ、ここにプレイヤーたちが来るのは、まだ一週間以上先だと思ってたからネー」
「え……何でそんなに遅いんスか? つか、ホントにわたしらが一番乗りなんスか? というか、えーと、アルゴさん? は実際に今、此処に来てるじゃないッスか?」
矢継ぎ早に聞き返すチマ。でも言いたいことはあたしも同じだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ