SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
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。現在、片手剣を装備しているのは、この四人の中じゃあたしとチマだけだ。つまり――
「じゃーん、けーん……っ」
あたしたちPTで定めた約束事の一つ。ドロップで欲しい装備があったら、恨みっこなしの強制じゃんけん勝負。昨日はモンスタードロップで出たイイ感じのショートブーツをレイアも入れた三人で勝負して、チマに負けてしまった。今回はぜぇ〜ったいに勝ちたいっ。
「……ぽいぃぃッス!!」
気合を入れたチマの掛け声と同時に出したあたしたちの手。その勝敗は……。
「やったー! 勝った〜!! ぶいっ!」
「がーん……ッス……」
パー対チョキで、見事、あたしの勝利ィ!! キリュウさんとレイアの生暖かい視線を感じるけど気にしない! ガックリと地面に手と膝を付いて頭をたれているチマの姿が、またまたあたしの気分を良くさせたのだった。
そんなこんなで、アイテム論評会(?)が終わった。装備に関してはこんな感じだけど、基本的に身内なので、どのアイテムは誰の、というのはあたしたちには無い。お金も、個人個人で一応持ってはいるけど、お店とかで誰かが欲しいのがあって、手持ちの金額が足らなかったらみんなで出し合ったりするし、ほとんど共通財産みたいになっていた。
「……よっし。じゃあ、アイテム売りに行こっか?」
システムウインドウを閉じたあたしは、テーブルに手をつきながら立ち上がってみんなに言った。
そのとき――
「ほーウ。もう、こんなところまで来ているプレイヤーが居たとはネ〜」
あたしの背後から、語尾に変なイントネーションを乗せた女性らしき声が聞こえた。未だ座っていたあたし以外の三人がその声を方を見る。あたしもそれに続いて後ろを見た。
「…………へ?」
そこに立っていたのは、藍色の布服上下に革製の胸鎧とショートブーツを纏い、腰に金属製の爪っぽい武器と投げ針という装備、短めの金褐色の巻き毛という髪型の――――両のほっぺに三本ずつの《おヒゲ》を書いた、小さい女の子だった。
「…………ね、ネズミ……さん?」
目の前の女の子を見た第一印象を思わずあたしが呟くと、その女の子はニタァという笑みを浮かべて人差し指を立てた。
「せぇ〜か〜いっ……ダヨ。お嬢ちゃン」
「う……」
小悪魔、という言葉が似合いそうな笑顔に、あたしは少し固まった。
「――はじめましテ。オイラの名はアルゴ。巷じゃ《鼠のアルゴ》って呼ばれてル。……このSAOでは《情報屋》をしてるんダ。よろしくナ〜」
アルゴと名乗った女の子。あどけない顔で、あたしたちより身長は小さいんだけど、何処か年上を思わせる雰囲気を纏っている。可愛いんだけど、
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