SAO編
第一章 冒険者生活
7.突然な出会い
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ら六日が経った。あたしたちが《大規模戦闘》の仮想世界に囚われてから十三日が過ぎたことになる。
今から四日前、あたしたちはやっとのことで浮遊城《アインクラッド》の第一層迷宮区に到着した。
そして、その翌日から今日までの三日間、迷宮区最寄の町である《トールバーナ》を拠点として、朝から夕方まで迷宮区の探索をしていた。
四日前に初めて見た迷宮区。ゴツゴツとした大きな岩が積み重なって出来た、遥か上空の二層の底面にまで伸びている黒々とした巨塔。獣の巣穴のような大きな入口を進むと、最低限整った石敷きの通路やレンガの壁、松明など、次第に人の手が入ったような造りになってくる。どっちかというと、元々人が使ってたけど、モンスターが住むようになって廃れた……という感じだ。所々にある骨や崩れた石壁が、いかにもモンスターが住み着いちゃってますよーと言わんばかりだ。
この迷宮区には、コボルトやゴブリンといった亜人型や、狼や大きな鼠といった獣型のモンスターが出現する。逆に植物型のモンスターは見かけない。流石にこんな日光の届かない場所には植物型は居ないのかもしれない。
「……少し早いが、今日はこのぐらいにしておくか」
システムウィンドウを呼び出して見ていたキリュウさんがそう言った。あたしとチマが交代で敵のタゲを取り、あたしたち二人の背後にいるレイアの鞭による中距離支援を受けるという連携に、かなり慣れた頃だった。
「え、もうですか?」
あたしはキリュウさんに聞き返しながら、自分もシステムウィンドウを開いて時刻表示を見た。今の時刻は十四時二十二分と、いつもの撤収時間より一時間以上早い。昨日、一昨日は確か十六時過ぎまで潜っていたと思う。
「いつもよりも早いですね」
あたしと同じことを思ったのか、レイアも口に出した。
あの過酷なレイドクエストを経験したあたしたちは、今やちょっとやそっとの事では疲れなくなってきていた。
此処SAOでは、体力的な疲労というものは無い。つまりは、やろうと思えば何日でも寝ずに動き続けることが出来るし、戦い続けることが出来る。
仮想世界の、実体の無い体なのだから当然かもしれないが、それでもそれを実際にするのは並大抵のことじゃない。実際に日を跨ぐほど動き続けるには、襲い掛かる睡眠欲求や食欲を抑えこむ強靭な精神力が必要となる。
流石にあたしたちもそこまでではないけど、朝の七時から夕方十七時頃まで迷宮区に篭っている程度では、全然問題は無いようになっていた。
「……そろそろアイテムストレージの空きが無くなる。お前達はどうだ?」
「え? えーと……」
キリュウさんに言われて、あたしたち三人は自身のアイテムストレージウィンドウを開いて見た。
――わ……もう
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