Disc1
精霊は異界へと
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会ったり屋根の上を歩いたり。
「が、頑張ってビビ!」
「う、うん」
途中、渡っていた板が落ちちゃったり瓦がずれて滑り落ちそうになったりひやひやしつつも屋根を渡りきる。
その間にねずみの子と自己紹介した。
ねずみの子はパックっていうみたい。
(でも、本当に忍び込んでも大丈夫なのかな?)
(見つかった時は全力で逃げりゃあ捕まらねぇよ。なんならその時は変わってやる)
(頼りにして良いのか悪いのか……)
ラタトスクとそんな会話をしつつ無事、城の中にある芝居が行われる船にたどり着いた。
そこは、まるで賑やかさを取り戻したアルタミラみたいだった。
始まった劇では結構迫力のある戦闘が行われたり演出用の魔法が使われたりと結構楽しめる内容でラタトスクも興味深げに見ていた。
(演出用の魔法か……興味深いな。俺達の世界じゃ見た事がねぇ)
(そうだね。そもそも劇に魔法を使おうって思わなかったもんね)
(それに、こちらの世界の魔法はマナじゃない力で発動するみたいだ。魔法体形も俺達の世界と違う。だが、辺りに漂っている力を使えば再現可能だろう)
(え? って事はこの世界の魔法が使えるって事?)
(使えるには使えると思うが、再現する前にしっかりこの世界の魔法について調べないと不自然に思われるかもしれないぞ)
(そ、そうだね。でも、魔法かー。使ってみたかったんだよね)
ゼロスみたいに魔法と剣を組み合わせてみたかったんだ。
……まあ、魔法じゃないけどセンチュリオンの力を借りて似たような事はできたけど。
(あれ? ここって違う世界だけどセンチュリオンの力って使えるの?)
(今は難しいな……それと一時的にだが、魔物を呼び出す事も可能だろう。ただ、魔物呼び出したらその分マナを消費して帰るのが遅くなるがな)
(戦う前に聞いておいて良かった……戦う時に発動せず驚いていたら危険だもんね)
と会話をしつつも劇はちゃんと見る。
そして、芝居が終わりを迎える。
「う、良い話だね」
「く〜っ、良い芝居だぜ!」
「うん、そうだね」
三人で涙ぐんだり興奮したりしていると兵士にバレて追い掛け回される事になった。
「び、ビビ! 速く!」
「う、うん!」
パックは逃げている間にはぐれて僕達は舞台上に上がってしまい、ビビは中間にお姫様役の人がいるのに混乱して兵士に魔法を使ってしまった。
お姫様役の人はローブが燃えたためすぐさま起き上がってローブを脱いだ。
混乱が続いて逃げようと必死なビビは転んでしまい、起き上がらせている間に何故か騎士の人達と戦うことに……
(え? え? どういう状況なの? これ)
(どうやら本物の姫が逃げ出そうとしているのを騎士が捕
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