ストライカーズ編!
本物を教えてあげる
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同時刻、陽龍と冬弥がいる場所とは離れた海辺。
そこにわたしと夏希はいた。
「あの・・・さ、聞きたいことがあるんだ」
そう言うと、視線だけこっちに向ける。
その態度にイラッときて雷を放ちたくなる衝動に駆られたけど、あえてスルー。
「なんでスカリエッティに付くの?」
六課で、夏希たち四人のことは調べたから知っている。
けど、その情報を知っても、なんでスカリエッティに付くのかがわからなかった。
「ドクターは、科学者に売られていくオレを助けてくれた。特殊な目を持っていたオレに、制御するための物をくれた。だからオレたちはその恩を返す。それだけだ」
付けたままのメガネの縁を撫で、微笑む。
そんな夏希とは反対に、わたしの顔は訝しげに歪む。
夏希の話は、たぶんあっている。
科学者に売られていくってところと、特殊な目のあたりは。
情報を一緒に聞いていた陽龍の顔は、一瞬で何かを悟ったような気がしていたけど・・・そういうことだったんだ。
「その記憶、偽物だよ」
一瞬、夏希の身体がビクリと揺れた。
多分、どこかおかしいと自分でも感じていたのだろう。
「あなたの家庭の事情は調べるのに苦労したけど、でもしっかりと存在してた。鈴城家に起こった、悲しい事件のこと」
その情報は時空管理局のデータベースに厳重に保管されていた。
夏希の両親にあたる人たちは殺害、息子は行方不明なので詳しい詳細はわからなかったらしいが、両親がなにをしていたのか。近所の墓の「鈴城希」の文字。
それだけでも、ある程度の想像はついた。
両親はまだ小さかった息子を亡くしたショックで、プロジェクトFに手を出したのだ。
奇跡的にその実験は成功し、息子のクローンである「鈴城夏希」が生まれた。
家庭環境までは流石にわからなかったが、近所の人たちからの情報だと、「いつでも笑顔と笑い声の絶えない家族」らしかった。
クローンであっても、両親は夏希のことを本当に愛していたらしい。
しかし、そこに実験から生まれた成功サンプルの一つ、夏希の情報を得た科学者が現れた。
両親は反撃をしたみたいだが、魔法によって倒れふした。
そして研究所に行こうとする中、また新たに人が現れた。
それが、スカリエッティ。
彼は科学者たちを殺害し、そして家の中でまだ生きていた両親の心臓を止めた。
そしてスカリエッティは夏希を連れ去り、逃亡した。
ところどころ管理局員の想像が混じっているっぽかったが、それが事件の真相だった。
「キミの両親は、確かにキミを愛していたんだよ?」
むしろスカリエッティが与えた「愛」は偽りの・・・「黒く汚れた愛」
「そんな・・・こと、は・・・。ドクターは、オレたちを助けてくれた・・・ッ!」
何も聞きたくないとばかりに耳を
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