暁 〜小説投稿サイト〜
Yuruyuri4 the NOVELIZATION
Requirement of HERO
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人の自分と出会ったあかりは、娯楽部の部室である茶室にいた。
「あ〜あ、誰も来ないなぁ。ちなつちゃんは用事で来れないって言ってたし……」
広い座敷の真ん中で寝転がりながらぽつりと愚痴を
零
(
こぼ
)
していると、突然玄関に通じる引き戸が勢いよく開いた。
「あかり! 大ニュース大ニュース!」
大声を上げながら入って来たのは、テレビの中で「ペルソナ」という能力を行使して暴走してもう一人のあかりを倒したあかりの親友、京子だった。
「ど、どうしたの、京子ちゃん? そんなに慌てて」
「どうしたもこうしたもないよ! 昨日の『マヨナカテレビ』に結衣が映ったんだよ! あいつ、今日学校来てないし、もしかすると、あかりみたいにテレビの中でもう一人の自分に会ってるかも!」
矢継ぎ早に言葉を重ねると、京子はあかりの手を取って茶室を飛び出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ! どこに行くつもりなの?」
「どこって、テレビの中に決まってんじゃん。一緒に結衣を助けにいこうぜ」
「うわぁ〜ん! 勘弁してよぉ〜!」
七森中学を後にした二人は一路「ナモリ高岡店」へと急ぐ。
京子に連れられるあかりは文句を言いながらも、どこか嬉しそうに見えた。
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