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Yuruyuri4 the NOVELIZATION
Requirement of HERO
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…あ」
 これまで何の反応も示しさなかったオリジナルのあかりが、ようやく声を漏らした。
 ――ヤメロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!
 自身を受け入れかけているオリジナルの状態に危機を感じたのか、偽あかりは悪足掻(わるあが)きとばかりに剣を二人目掛けて一斉に放った。
「向き合おうよ、今の自分とも。人間、その気になれば、誰だって主人公になれるんだから!」
 ミラクるんが二人を庇うように立ちはだかる。その先を偽あかりへと向けたステッキは、眩い光を蓄えていた。
「これが私の全力全開! ティ○・フィナーレ!」
 言葉と共に放たれた光線はこちらに向かって降り注ぐ刃の雨を呑み込み、そして、それらを放った偽あかりを貫いた。
 ――グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!
 光によって巨大化した偽あかりの外見は跡形もなく消滅した。しかし、その核となっていた人間大のあかりは消滅することなく京子達の目の前で蹲っていた。
 京子はミラクるん姿の人影を消す。全身に壊れたテレビのようなノイズの走っている今の偽あかりに、抵抗するだけの力が残っているとは思えなかった。
 それと同時に、あかりが偽あかりへと駆け寄り、ノイズの掛かった体を抱き起こす。
「あかり、大事なこと忘れかけてた……皆と友達でいられるのは、存在感がどうとかじゃなくて、あかりがあかりだから、なんだよね。主役とか脇役とか、そんなのは関係ないんだよね」
「なら、否定するの? 主人公になりたいと願うこのあかりを」
「ううん。否定なんてしないよ。だって、存在感のない今のあかりも、主役に憧れるあかりも、両方あかりなんだから」
 偽あかりはまるでその言葉を待っていたかのように安らかな表情で目を閉じた。
 すると、彼女の体が淡い光に包まれ、京子の持っていたものとよく似た半透明のカードに姿を変えた。描かれている絵柄は十字架をあしらった法衣(ほうい)を着て信者に説教をする法王。そして、そのカードはあかりの一部分となるかのように彼女の体へと入っていった。
「これが……ペルソナ」

         *

 ○月×日(水)天気:曇天
 京子とあかりがテレビの中の異世界で激闘を繰り広げてから、数日が経過した。
 相変わらず、『マヨナカテレビ』の噂は学校内で衰えるところを知らない。生徒達は友達と会えば『マヨナカテレビ』に誰が映って欲しいだのという話に花を咲かせているし、新聞部やオカルト研究会のような文化部はこぞってこの噂を取り上げている。ただ、その話の中で京子達が出会った怪物やもう一人の自分が登場することはない。誰もがあれを運命の相手を映し出す都市伝説だと信じて疑わなかった。
 その『マヨナカテレビ』に映りテレビの中でもう一
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