月と月
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の扉が開く。
お妙が居るはずだ。多分、あの餓鬼共も。
まあ理由は言ってないが、一応同棲している。
新八は不審がっていたが。
ただいま、とポツリと呟いてリビングのドアを開けた。
もう三時だ。いくらお妙でも、もう寝ているだろう−−
「お帰りなさい」
不意に聞こえた、柔らかい声。
「えっ? お前起きてたの」
「ええ、当たり前でしょう?」
「・・・・あのさ、お妙」
「はい?」
いきなり真面目な顔付きになる。お妙はにっこり微笑みながら振り向いた。
「さっき、巻き込まれた時は仕方ねえっつったけど−−」
「待ちます」
銀時の言葉を遮り、お妙が口を開いた。
「待ちます。待ってます。何年経とうと、何十年経とうと、私は貴方を待ち続けます。
そして・・・・貴方が帰って来た時には、笑って貴方を迎えます」
銀時は眼を見開いた。
自分より五、六歳下なのに自分よりしっかりしている。
「やっぱり俺の女だ。本っ当言い奴・・・・」
「あら、そんなの前から知ってたでしょ」
「そーいうトコも流石です・・・・」
つい敬語になる銀時。
きゅ、とお妙が銀時を優しく抱き締める。
銀時はお妙の腕の中で眼を瞑った。
*
月に背を向け、月詠はふー、と煙を口から出した。
そっと傷を撫で、月を見上げる。
そして煙管を口元に運んだ。
「月は・・・・幸せになれぬのか?」
ポツリと出た言葉。
「わっちは・・・・奴に本気だったんじゃ。もう他の奴なんて好きになれぬ」
「月詠姐ー!!」
ビクッと肩を震わす。
「清太!? こんな遅くに何をやっとるんじゃ!」
「だって月詠姐遅いんだもん・・・・」
そうか・・・・心配されていたのか。
「ありがとう、清太」
「ヘヘッ。オイラ将来、月詠姐を嫁にするんだー!」
「ほう、それは面白い。楽しみじゃな」
「相手にしてないだろ! 本気だからねっ」
真剣な清太の顔に、少しドキリとする月詠。
「月は・・・・幸せになる。
きっと・・・・きっとだ。」
「清太!? さっきの話聞いてっ・・・・」
「まあまあ気にしない気にしない! 月詠姐にはオイラがいるだろ?」
「ふふ、まあそうじゃな」
*
「朝です銀さん」
「んあー?」
「今日お仕事あるんでしょ?」
パッチリと眼を見開いてガバッと起き上がる銀時。
「やっべ!」
「全く・・・・。じゃあ気をつけて行ってきてくださいね」
銀時はふっと微笑み、お妙の頬にキスをする。
「行ってきますのチュー」
お妙は顔を真っ赤にしている。
やり過ぎたか?と口を開こうとした時、チュ
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