月と月
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」
カアー、と顔が赤くなる。
嬉しい、と素直に喜べない自分が嫌になる。
「お妙、誤解しないでよ。恋愛的な意味じゃないから。
俺の一番は永遠にお妙だから」
「さあ、どうだか」
チクリ、と胸が痛む。
壊したい、この二人を・・・・。
「・・・・のう」
壊したい・・・・。
あ?と顔をこっちに向ける銀時。
「・・・・幸せにな」
壊せ、ない。壊したいのに−−
「サンキュー・・・・お前こそ、幸せになれよ」
「ああ、もちろんじゃ。お妙、修羅の道になると思うが、この不器用で馬鹿な銀時を、一番側で支えてやってくれ」
お妙は一瞬驚いた様に眼を見開いたが、すぐに
にっこりと微笑み、
「勿論です。浮気なんてしたらぶっ殺しますから」
なんて言っていた。
「銀時も・・・・女は兎じゃ。寂しいと死んでしまう。デリケートじゃしな。
わっちは女を捨てたからわからんが、サプライズやらが好きらしい。
たくさん話して、たくさん喧嘩して、幸せになりなんし」
ああ、と銀時からの短い返事が聞こえ、また煙管に火を付けた。
「・・・・ぬし、籍を入れてもヤンチャする気じゃろう?嫁さんを泣かせるでないぞ」
「泣かせねーよ。まあ・・・・ヤンチャは控えるけど、巻き込まれたときゃあな・・・・」
仕方ねえよ、とボソリと呟く。
全く、仕方無い奴だ。
「愛想尽かされても知らぬ! 少しはしっかりしなんし!」
「尽かされねーよ!」
これからも・・・・このままでいたい。
変わらぬまま。
「じゃあわっちはそろそろパトロールの時間じゃ」
「じゃー終わったら電話しろよ。三人で飲もうぜ」
「いや、すまない。パトロールが終わるのは大体深夜一時くらいじゃ。そんな遅くに危険な街、吉原に二人をブラブラさせるわけにはいかぬ」
そうか・・・・と銀髪をボリボリと掻く銀時を横目に、ふうと息を吐く。
すると、今まで黙っていたお妙が口を開いた。
「じゃあ銀さん、今日はゆっくりお二人で飲んできてくださいな。
最近全く休んでないでしょ? たまにはゆっくりしてきてください」
「でも・・・・」
月詠も口を開いた。
「良いんです。確かに月詠さんは私より胸が大きくて、美人だし・・・・不安でもありますけど。
さっき言ったでしょう? 浮気なんてしたらぶっ殺すって。それに−−信じてますから、ね」
「・・・・!」
月詠は眼を見開いた。
なんと良い女だ。銀時には勿体無い。
「じゃあ・・・・なるべく早く帰るわ。まあ送ってく。月詠、パトロール終わったら連絡くれ」
「わ、わかった」
「じゃーな」
*
ガラリと万事屋
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