LAST MAN
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それと同時に、ミッドナイトに異変が起こる。
「真夜中にボクの歪みは極限状態になるんだ」
響く鐘の音。
それに合わせるようにミッドナイトは変化していく。
「何だ!?」
「ああああああ!」
ジェラールが目を見開いて叫ぶ。
雄叫びを上げ、ミッドナイトは元の姿が解らなくなるほどに変化していく。
そして、現れた。
「ハハハハハハハハハッ!」
笑い声が響く。
その体は先ほどより一回りも二回りも大きく、エルフマンが全身接収した時が1番近い大きさだろうという程に大きい。
全身が黒い皮膚に覆われ、黒髪と流れる白髪がなければ、ミッドナイトだとは解らなくなりそうだ。
表すなら悪魔、そこに立つのは真夜中の名を持つ異形だった。
「な!」
「もうどうなっても知らないよ」
驚愕するジェラール。
ミッドナイトは笑みを浮かべる。
「うるァ!」
雄叫びを上げると共に、ミッドナイトは膨大な魔力を溜めこんだ腕をエルザに向かって振るう。
眩い光と膨大な魔力が辺りを覆い尽くす。
「あう!」
「ぐあっ!」
何とか直撃は免れたエルザと攻撃の余波で吹き飛ばされたジェラールは地面を転がる。
そのジェラールに、しゅるっと何かが伸びていく。
「!」
それは、ミッドナイトの爪だった。
職種のように伸びた、先が刃物のように鋭い爪が、ジェラールの胸を貫く。
「ジェラール!」
それを見たエルザが叫ぶが―――――
「ぐはっ!」
ミッドナイトの左手の爪が、エルザの胸を貫いた。
爪に突き刺さった状態で、2人の足は地面を離れる。
「おっと・・・簡単には死なないでよ。ここからが楽しいんだ」
「あああ・・・がはっ!」
ズズズ・・・と音を立て、ミッドナイトはエルザの傷を広げていく。
痛みと恐怖でエルザの目が見開かれ、血が舞う。
「エルザーーーーーーー!」
「うああああああああ!」
「ハハハハハハッ!」
耳を塞ぎたくなるような残酷な音。
ジェラールの絶叫。
エルザの悲鳴。
ミッドナイトの、心底楽しそうな笑い声。
様々な音が響き渡った、その時―――――――――
血が、舞った。
エルザのでも、ジェラールのでもない。
―――――――ミッドナイトの、である。
「は?」
「!?」
エルザの薙刀が、ミッドナイトを斬った。
突然斬られた事に呆気にとられるミッドナイト。
ジェラールは何が起こったのか解らず、呆然とする。
(な・・・何が起きたんだ!?オレは確か体を貫かれて・・・エルザ・・・)
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