暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
LAST MAN
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ルシアがピタリと足を止めた。
突然止まった事に首を傾げながらも、ティアも足を止めて目線を映す。

「ヴィーテルシア?」
「ティア・・・お前は一体何者だ?」

無表情は崩れない。
が、突然の意味不明な質問に、ティアは溜息をついた。

「何が聞きたいのよ、アンタは。私は私よ」
「そうじゃない」

ティアの言葉を即座に否定し、ヴィーテルシアは見つめる。
紫の目と青い目が真っ直ぐにお互いを映す。

「俺はお前と短いながら行動と共にしてきた。そして狼姿である俺は鼻がいい・・・だから、隠さなくても気づいている」

沈黙が、重くなる。
先ほどまでは苦ではなかった沈黙が、一気に重くのしかかる。
ヴィーテルシアは躊躇いがちに瞳を揺らし、しばらくして意を決したように口を開いた。

「ティア、お前から―――――――」

その言葉の先を、ティアは聞いた。
が、彼女は何の反応も示さなかった。
何故ならば、自分の事は自分が1番よく解っているから。









「―――――――――――()()()()()()()()()()

















「おいで、エルザ。君の本気を見せてくれ」

エルザとミッドナイトは対峙していた。
着物のような服を身に纏い、薙刀を構えたエルザにミッドナイトは余裕の表情で呟く。

「・・・といっても、ボクに攻撃は当たらないケドね」

その言葉に、倒れるジェラールは考える。

(そうだ・・・奴の屈折(リフレクター)はいかなる攻撃も曲げてしまう)

ジェラールはそんな風に考えるが、エルザは考えてる間に動いていた。
ダッと地を蹴り、一瞬にしてミッドナイトの目の前に迫る。

「!」
(速い!)

その素早さはティアといい勝負だろう。
一瞬の事にジェラールは目を見開く。
が、ミッドナイトの余裕の表情は崩れない。

「いくら素早く動けても、ボクの屈折(リフレクター)は破れないよ」

ミッドナイトはそう言うが、エルザはお構いなしに薙刀を振るう。
そして薙刀は当然のようにカクンとミッドナイトを避けた。

「ホラ」

だが、次の瞬間――――――

「!」

エルザは薙刀を持っていない左手で、ミッドナイトの胸に掌底を打ち込む。
ミッドナイトの表情が崩れ、ジェラールが目を見開く。
そしてそのまま、ミッドナイトはエルザの攻撃によって壁へと吹き飛ばされ、叩きつけられた。

「なに・・・」

先ほどまで一撃も当たらなかった攻撃が、何の問題もなく当たる。
呆気にとられるミッドナイトに向けて、エルザは左手の人差し指と中指を立てた。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ