暁 〜小説投稿サイト〜
問題児と最強のデビルハンターが異世界からやってくるそうですよ?
Mission6・A ~鬼の森~
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「外から見てもなかなかだったが、中に入ってみればこりゃまた衝撃的だな」

 門の中へと入ったダンテは、ゲームの舞台となっている居住区を一瞥して呆れたように息を吐いた。
 フォレス・ガロ≠フ居住区は、今や光を遮るほどの密度で木々が立ち並び、とても人が住める場所には見えなかった。
 街路と思われるレンガの並びは下から迫り上げる巨大な根によってバラバラに分かれ、もはや人が通れるような道ではなくなっている。ノーネームの*{拠地とは別の意味で崩壊を果たしていた。
 だがここは……人は住めないが、ゲームの舞台としては確かにうってつけだった。
 どこにでも隠れる場所があって、奇襲に最適なのだから。

「……ん?」

 と、戦場の分析を自分なりにしていたところで、背後から奇妙な音がしてくるのをダンテは聞いた。
 振り返ってみると、門が生い茂る樹木によって絡められ閉じていく。
 飛鳥達がこちらに入ってきたその直後のことから、門を通ることがゲーム開始の合図だったらしい。
 どうやら退路は断たれたようだ。もっとも、逃げる気などさらさらないが。
 それだけ確認すると、ダンテは己の嗅覚を用いて、近くに敵がいないか調べる。

(近くに悪魔は、いねぇな……まぁ、そうそう離れているわけでもねぇだろうがな)

 とりあえずこの近辺は安全であることは確認した。
 悪魔はともかく、動物一匹彼らの近くにはいやしない。とはいえ、油断は禁物である。近くにいないからといって、相手が何も仕掛けてしてこないとは限らないのだから。
 飛鳥達がこちらにまで近寄ってきたが、飛鳥とジンは周囲を警戒したままでいる。
そこで、耀が助言した。

「大丈夫。近くには誰もいない。匂いでわかる……ダンテ、そっちは?」
「こっちも何もないね。ところで前から聞いてみたかったけど、ワンちゃんのお友達でもいんのか?」
「うん。20匹ぐらい」

 ヒューッ、と思わず口笛を吹くダンテ。
 前回の白夜叉……グリフォンとのゲームでわかったことなのだが、彼女のギフトは獣の友人と同じ力を得ることだ。
 つまりそういった友達を作れば作るほどより強力になっていくギフトであり、その保有者である耀も無限に進化を続けていくことになる。
 犬だけで20匹以上友達がいるというのなら相当なものだが、他にもきっといっぱいいるのだろう。そうだとすれば、彼女の身体能力がずば抜けて高いのにも納得できる。
 五感ならばダンテや十六夜以上……下手をすれば、教えてやれば悪魔の存在も探知できるようになるかもしれない。

「お二人とも、あちら側の詳しい位置はわかりますか?」
「それはわからない。でも風下にいるのに匂いがないのだから、何処かの家に潜んでいる可能性は高いと思う」
「右に同じ、だな」
「ではまず
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