第43話。変人と琥珀。
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倒臭いですよね〜」
「ちゃうちゃう。そこはかーわーいーいーと言ってやればええんよ」
「五月蝿いわよ貴方達!!」
まぁまぁ、とシッキーとシオンに宥められる妹様。
「まぁ、ここらへんでお縄に頂戴やで?」
「ぐぐぐ、晋吾くんに捕まる所以なんてありませんよ」
「人の家の地下を勝手に改造しておいて、何を言っているのです。さぁ、やってしまいなさい」
「ガッテンダオヤビン!」
「あぁ、秋葉。晋吾に向かってなんてことを・・・。先輩に聞かれたら大変なことになるぞ」
「大変どころか、聖戦を仕掛けられても仕方ありませんね」
ニヤニヤとして下品な表情でジリジリと琥珀さんとの距離を詰める俺。
してやられた!の表情で少しずつ後退する琥珀さん。
両者共通して言えることは、この状況を楽しんでいることであろう。
流石ドクター。ただものではない。
「こうなれば!そうれっ!」
掛け声と共に投げ出されたのは木の苗を植えた植木鉢。苗は枝を勢い良く回転させ、晋吾を襲う。
「なんだよそれ!いくら琥珀さんでも無しだろ!!」
「これは・・・タタリの影響でしょうか?」
志貴は激しく、シオンは冷静にツッコミを入れる。秋葉は、『何も見てない』と存在を強く否定した。
「残念だが・・そいつの弱点はすでに露呈しとるわ!!」
晋吾はスライディングで地面を滑り枝を掻い潜り、植木鉢を蹴り上げる。
鉢を壊されれ、地面にへばりついたカキノキ科のサイコガーデンは、地面で魚のようにちびちびと跳ね、暫くして動かなくなった。
「流石。と言った所でしょうか?一瞬で私の育てた子の弱点を暴くとは・・・。」
神妙な顔持ちで息絶えた(?)苗を見る琥珀さん。
「しかし!私はまだ倒れるわけにはいかないのです!!」
そう言って奥に逃げ出す琥珀さん。
「追いますよ!」
「ガッテンダオヤビン!」
「今思ったんだけどさ。晋吾楽しんでない?」
「それは逃げている彼女にも言えるのでは?」
はぁ。とため息を一息ついて、志貴は妹と友人と、使用人を追いかけるのであった。
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