暁 〜小説投稿サイト〜
万華鏡
第五十七話 全てが終わってその六
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「はしゃぐのよ」
「はしゃぐの」
「音楽はそうでしょ」
 音楽、それの根幹にあるものはというのだ。
「元々儀礼の為にあるものなのよ」
「あっ、クラシックとか教会とか」
「そうそう」
 そういうのを見ればわかるというのだ。
「だからね、そうした時はね」
「はしゃぐといいのね」
「そうよ」
 まさにだと言う母だった。
「そうしてね、気持ちを切り替えて」
「ええ、それじゃあね」
「後ね」
「後って?」
「今回のティーセットはどうかしら」
 上段は大きめのスコーンとクッキー、中段はフルーツサンド、そして下段はエクレアとシュークリームとケーキのそのセットはというのだ。
「いいかしら」
「ええ、かなりね」
「だといいわ。ティーセットもね」
「いつも同じじゃあれよね」
「飽きるわ」
 そうなってしまうというのだ。
「だからいつも同じじゃなくて」
「こうして変えていくのね」
「茶道だってそうでしょ」
 日本文化のそれの話にもなった。
「和菓子もいつも同じだと飽きるのよ」
「だから和菓子もなのね」
「いつも違うから」 
 そうなっているというのだ。
「ティーセットもよ」
「それも変わるのね」
「変えてるの。とはいってもね」
「とはいってもって?」
「イギリスのお料理はね」
 母はイギリス料理自体には少し残念な顔になって話した。
「これ位しかないのよね」
「何かそれいつも聞くわね」
「有名なイギリスの朝食もね」
 それもだというのだ、イギリスは朝食位しか食べられるものがないというがそれですら、というのである。思えば無慈悲な言葉だ。
「日本人が作る方がいいから」
「そういえばハギスって」
「スコットランドのお料理ね」
「あれ美味しいのかしら、日本人が作ると」
「どうかしらね」
 母はハギスについては首を傾げさせて返した。
「お母さんもハギスは食べたことがないし」
「そうなの」
「あまり美味しくないらしいから」
「日本人が作ったら違うとかは」
「どうかしらね。あとスコットランドもお料理はね」
 どうかというのだ、そちらも。
「あまりよくないっていうし」
「そうなのね」
「あとアイルランドもね」
 今では北部以外は独立国であるこの国もだというのだ。
「ビールは一杯あるけれど」
「パブよね」
「そう、アイリッシュパブね」
 アイルランド名物の一つだ、アイルランド人は何かあるとビールを大量に飲むのでこうした店もあるのだ。
「あそこで一杯飲めるけれど」
「お料理はなの」
「イギリスと同じよ、イングランドとね」
「ううん、じゃあアイルランドを旅行に行っても」
「スコットランドでネッシーを観に行ってもよ」
 言わずと知れたネス湖だ、謎のUMAがおらずともネス湖の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ