第百四話
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第百四話 海草も
華奈子と美奈子はシーフードカレーに入れる海の幸も全て買った。しかしここで美奈子がこう言うのだった。
「ちょっと待ってね」
「今度はどうしたの?」
「ええ、魚屋さんにいるから」
だからだとだ、美奈子は華奈子に話す。
「ついでにもう一つ何か買わない?」
「カレーの具?」
「いえ、サラダに入れるものね」
「じゃあ一つしかないわね」
「海草ね」
「そう、魚屋さんで買うサラダに入れるものってね」
それこそ、というのだ。
「それしかないでしょ」
「海草ね」
「そう、それね」
こう言うのだった。
「そう思うけれど」
「私もそうなの」
実は美奈子もだった。
「海草買おうって思ったけれど」
「じゃあ若布ね」
「それね」
「サラダに入れる海草ってね」
それこそ、というのだ。華奈子は実にはっきりと言った。
「サラダしかないでしょ」
「そうよね、じゃあね」
「若布も買うよね」
「ええ、それもね」
こうしてだった、若布も買うことになった。幸い予算は大丈夫だった。二人はこうして買いものを終えていよいよカレー作りに入るのだった。
だが帰り道でだ、美奈子が華奈子にこう言ってきたのだった。
「急ぎましょう」
「あっ、生もの持ってるからね」
海の幸達のことに他ならない。
「だからよね」
「そう、だからね」
まさにそれが為だった。
「急ごうね」
「そうね、いたまないうちにね」
「海の幸は新鮮さが勝負だから」
「あと煮込み過ぎないことね」
「そこがお肉と違うのよ」
肉は煮込めば煮込む程柔らかくなる。しかしシーフードは煮込み過ぎると固くなってしまうのだ。そこが問題なのだ。
「だからね」
「そこも注意してね」
「カレー作りましょう」
まずは急いで帰ることからだった。二人はシーフードのことがよくわかっていた、料理の知識も確かな二人だった。
二人は寄り道をせずすぐに家に帰った、そして靴を脱いでそれから台所に向かいそこで調理にかかるのだった。
第百四話 完
2014・2・4
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