SAO編
第一章 冒険者生活
6.終戦の夜に想う
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と別れました。
向かうは、私たちが防衛を担当した門から続く道。次の村へと続く道です。
「……そうだ。チマ」
歩いている途中、キリュウさんはチマを呼びとめながらシステムウィンドウを呼び出しました。
「ほえ?」
「……これを、鑑定して欲しい」
「何なに? なんですかー?」
キリュウさんがチマにトレード申請を送るのをネリーが興味津津といったふうに覗きこんでいます。
「ほほう。これは……」
キリュウさんからチマにアイテムが渡されたようです。ウィンドウ上でのやり取りなので、何を渡したのかは私には解りません。
「……昨日、言うのを忘れたが、恐らくあの一匹だけ違うゴブリンから手に入れたものだと思う」
チマは《鑑定》スキルを持っています。手に入れただけでは正体が解らないアイテムというものもあるので、チマのスキルは私たちも重宝しています。
「鑑定結果、出たッスよ」
チマはそのアイテムをオブジェクト化させ、さらにアイテムのステータスウィンドウを私たちに見せてきました。
それは、赤く艶やかな《鞭》……でした。
カテゴリ《ウィップ/ワンハンド》、固有名《リブリサージ》。
キリュウさんの倒した、あの一匹だけ異色を放っていたゴブリンが持っていた鞭です。
「しっかし、この鞭も武器なんスねー。『オ〜ホッホッホ、女王様とお呼びィ』ッスねっ」
「あはは、は……」
「……?」
チマはたまに真面目な顔をして変なことを言います。そんなチマにネリーは乾いた笑いを浮かべ、キリュウさんはチマの言ったことを理解出来て無かったのか、首を傾げてました。
「コレ……どうする?」
ネリーがチマの持った鞭を指差して言ってきました。
「…………レイア」
「は、はい?」
不意に、キリュウさんが私の名前を呼びました。
「……これを、使ってみないか?」
「え……この鞭を、ですか?」
少し、混乱しました。いきなりということもありましたが、何故私なのか、何故鞭なのか、と。
「……ああ。確かお前は、特に使ってみたい武器はないと言っていたな?」
「は、はい。そうですけど……」
未だ躊躇っている私に、キリュウさんは私だけに聞こえるような小さい声で呟いてきました。
「…………ルネリーもチマも、良くも悪くも前しか見ていない。だから、お前には支えて欲しい。二人の、背中を……」
キリュウさんはもともと口数が少なく、あまり多くは語りませんが、それでも言いたいことは解りました。この鞭を使って、性格的にも前衛タイプな二人を後方からサポートをして欲しい。そう言う事なんだと思います。
使い方は、一からキリュウさんが教えてくれると言って下さいましたし、それに私の
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