SAO編
第一章 冒険者生活
6.終戦の夜に想う
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見えたんです。
「また、見たいね」
「……うん」
「そうッスねぇ」
きっと、これからも四人で冒険を続けて行けば、その機会は何度もあるでしょう。
そうあることを祈って、私たちは窓の外の風景をしばらく見ていました。
その翌日。正確には寝たのは日を跨いだあとなので、数時間後ということになりますが。
私たちは、宿屋の前にいました。
「……しっかし残念だなぁ、オイ」
身長の高いリックさんが、私たち四人を見下ろしながら呟きました。
それに同意するようにクラウドさんが苦笑しながらそれに頷きます。
「確かにね。キミたちが仲間になってくれれば、このほど心強いものは無いんだけど」
「…………申し訳ありません」
「あぁ、いや。都合の良いことを言ってるのは解ってるからね。駄目なら駄目で仕方ないさ」
キリュウさんが謝罪すると、クラウドさんは慌てた様子で言葉を続けました。
「ま、昨日の様子を見た限りじゃこれが無難だったかもな。あいつらのことは任せとけよ」
リックさんが軽く自分の胸を叩きました。あいつら、というのは私たちを勧誘しようとしていた人たちのことでしょう。
時刻は、まだ朝の六時。
この場には、私たち四人とクラウドさん、リックさん、そしてジョーストさんしかいませんでした。三人は、私たちの見送りをしてくれると言って下さりました。
その他の人たちは、まだベッドの中だそうです。昨日、私たちの話合いが終わったあと、キリュウさんはメッセージで三人を呼び出し、早朝に村を出ることを話したそうです。リックさんとクラウドさんは「残念だ」と言いながらも、ジョーストさんは特に何も言わず、私たちの案に賛成してくれました。まだ六時なら誰も起きて来ない、そう教えてくれたのもこの三人です。
「……では、そろそろ俺たちは出発します」
システムウィンドウを開いて時刻を見たのか、キリュウさんが切り出しました。
「……有難う御座いました」
「ありがとうございます!」
「……ありがとうございました」
「ありがとうございましたッス!」
キリュウさんに続き、色々と骨を折って下さったことに、私たちはお礼を言いました。
「いいって礼は。まあ、また会ったときは、よろしくな」
「そうだね。また会ったらよろしく」
「…………また」
照れくさそうに言うリックさん。人の良い顔のクラウドさん。そっけなさそうに言うジョーストさん。
このSAOの世界には、一万人近いプレイヤーがいると聞きました。中には、色々な性格の人がいるのでしょうが、この村で出会ったこの三人は、確かに良い人だとはっきり言えると思います。
そんなことに幸先の良さを感じながら、私たちはリックさんたち
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