SAO編
第一章 冒険者生活
6.終戦の夜に想う
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まだ着けてたんだ。……気に入ったの?」
「……うん。なんとなくね」
私もいつも、ネリーとほぼ一緒の寝巻姿です。装備を全部解除しただけの格好。ですが今日だけは、私の首元には、如何にも手作り感の漂うネックレスが着けられていました。
「まあ、気持ちはわかるよ。だって……」
「……私たちが、今日頑張ったっていう《証》……だからね」
私は、このネックレスを貰ったときのことを思い返しました。
「――なんとお礼を申し上げればよいのか……。冒険者の方々、本当に有難うございました。お陰様でこの村は救われました」
NPCである村長さんのその言葉の直後、視界にクエスト達成の文字が浮かび上がりました。
そして――
「おお!?」
「キタキター!」
「苦労した甲斐あったぜぇ!」
「おめ!」
「おめめ!」
「うおっしゃらー!!」
私たちの居る村長宅の広いリビングが、目も眩むほどの金色の光に包まれ、何処からともなく耳が痛くなるほどの盛大なファンファーレが聞こえてきました。
「やたー! レベルアップだよっ!」
「あたしも上がったッス!」
「うんっ。私も」
ネリーやチマがの弾んだ声が聞こえます。……いえ、それは私の声もでした。
クエストを達成したことで、参加者の私たち全員にボーナス経験値が加算されました。それはモンスターを倒した時に発生する経験値や、普段しているクエストのボーナス経験値とは量がケタ違いで、私たちを含めたこの場に居るほとんどのプレイヤーがレベルアップしたみたいでした。そのため、効果音であるファンファーレと共に多くのプレイヤーの体が金色に光り、部屋中が眩く輝きました。
「ささやかながら、お礼をご用意致しました。どうかお受け取り下され」
光が収まった後に村長さんがそう言うと、視界の端にアイテムストレージの更新情報が数秒浮かび上がりました。
アイテム《ヌート・アミュレット》。
私はシステムウィンドウを表示させ、自身のアイテムストレージに追加されたアイテムにカーソルを合わせました。すると別ウィンドウが立ち上がり、そのアイテムのステータスが表示されます。
形は木の実や葉っぱを加工して作ったネックレス。効果は、レベル1の毒や麻痺に対して完全耐性を持つ、というものでした。
これを手に入れたボルグさんやネルソンさんは興奮したように、「おいおい、毒だけじゃなくて麻痺もかよ!」「す、すごい! これならこの先、数層は使えるよ!」と騒いでいました。《レベル1の毒と麻痺》というものに、私たちはピンとは来なかったのですが、SAOに詳しそうなお二人のその様子を見る限り、このアイテムはそれほど凄いものなんだなと思いました。
恐らく全員が同時にアミ
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