SAO編
第一章 冒険者生活
6.終戦の夜に想う
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で戦っていたリックさんたちは私たちに味方してくれました。
最前線……いえ、敵の只中で戦うキリュウさんを目の当たりにしていたリックさんとそのPTのみなさん。戦いの最中に「逃げたんじゃないか?」と言っていた人も、どういう心変わりをしてくれたのか、キリュウさんの弁護をしてくれていました。
クラウドさんたちは、リックさんたちに加勢してもらったという恩があったためか、それ以上の追及はしてきませんでした。
それでキリュウさんについての話は一旦落ち着きを見せ、話の流れでクラウドさんたちの担当した、私たちが見ていない、反対側の門での戦いの話になりました。
「――でもさ、まさか《あの人》が活躍してたってのは意外だったよねー」
「え? あ、ああ、うん。そうだね……」
窓の外を見ていたネリーが、いきなり話しかけてきました。
話しかけてきたことに驚いたわけではありませんが、私が今まさに回想しようとしていたことを言われたことに、少し驚きました。こういう何でもない場面で同じことを考える。そんなときに、この子と私はやっぱり双子なのかな、ということを考えてしまいます。
「……確かに。あのときのことを考えると、まさかあの《ジョースト》さんが活躍してたのにはびっくりしたよね」
そう。私たちが戦っていた場所とは違う場所でも、激戦は繰り広げられていたんです。
クラウドさんのPTとジョーストさんのPTが担当した門での戦い。この二つのPTメンバーのほとんどが盾剣士だということを有効に使って、防御を固めた陣形により、時間はかかるけど確実に敵を削る戦法をとっていたようです。
そこで最も奮戦していたのが、あのジョーストさんだと、共に戦ったという方々は言っていました。ジョーストさんはまさに鬼気迫る勢いで、常に前線を支えていたそうです。一緒に戦ったクラウドさん曰く。
「……彼はきっと、人一倍仲間の安全のことを考えているんだと思うよ。戦いの最中じゃ、ずっと周りに声をかけ続けて、みんなに気を配っていたんだ。……あれを、あの必死さを見ちゃうとね、村長宅で彼が叫んだのは、実は仲間に危険が及ぶことを必死に避けようとしていた……という風にも思えてきちゃうんだよね」
私はこのとき、ちらりとジョーストさんの方を見ました。
みなさんが戦いについて各々話し合っている中、ジョーストさんは村長宅の壁に、黙して寄りかかっていました。……ですが、人を寄せ付けない、という雰囲気とは裏腹に、彼の周りには、彼の仲間たちの姿がありました。
「……あ。レイア、それ」
話の途中で、ネリーが私を見て小さく声を上げました。その視線は、私の顔、ではなくその少し下に向けられていました。
「……これ?」
「うん。
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