第五十一話 帝都への道筋
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ったいどうしたのヴァ・・・キャーー!!」
パンネロがヴァンの目線の先を見たら、ヴァンと同じように声をあげる。
「なんなんだいったい?」
ヴァンの目線の先がちょうど建物の影になっていてよく見えず、近づいた。
そして固まった二人の目線の先を見る。
「これは・・・」
そこには痣だらけの薄い服しかつけていない男の死体があった。
骨も幾つか折れており、それが動いていた時の姿はとても想像できないありさまだった。
その損傷の激しさから死んだあとも攻撃をしつづけたことが容易に想像できた。
他の四人も眉をひそめて黙っている。
「これも帝国がしたのか?」
ヴァンが目線を動かさず震える声でそう言った。
「いや、これをしたのは避難民達だろ」
バルフレアがそう言った。
その言葉にヴァンがバルフレアの方に振り返る。
あまりにも予想外な答えだったからだ。
「な、なんで!?」
「こいつの着ている服に心当たりがある。ジャッジどもが鎧の下に着ている服だ」
「ああ、なるほど」
バルフレアの言葉を聞いてセアは首を縦に振って納得する。
その様子を見てますますヴァンは混乱する。
「なるほど!?なにがなるほどなんだよ!!?」
「あのな、こいつジャッジなのに鎧つけてないだろ」
「え、そうだけど・・・」
「避難民たちが金の足しになればと外して持っていったんだろう。その時にお礼にボコボコにしたってところだ」
セアの言葉にヴァンは首を傾げる。
「金の足しって・・・そんなに高いのかジャッジの鎧って?」
「ああ、いろんな国家が欲しがるだろうな。特にロザリアが欲しがりそうだな」
「なんで?」
「だってジャッジに変装してアルケイディアの部隊に紛れ込めるんだぞ。お前だって見たことあるだろ」
セアの言葉を聞いてヴァンはリヴァイアサンの時のことを思い出した。
あの時ウォースラはジャッジの格好をして自分達を救出したのだ。
「末端の兵なら自国で鎧を製造して紛れ込ませることもできるだろうがジャッジの鎧は特殊な製造方法で作られているそうで中々複製が難しいらしい。売るところに売れば高く売れるだろうさ」
セアの説明を聞いてヴァンも理解できた。
「だけどなんかさ・・・納得できないな」
「私も・・・」
ヴァンとパンネロは項垂れながらそう言った。
「納得する必要なんかない。ただこういうこともあるって知ってるだけでいい」
セアは二人を諭すようにそう言った。
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