君の言葉こそ
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だけ言われれば、自分が悪党か善人かなんて一発で解る。
「君こそが闇の塊なんだよ、汚くて禍々しい邪悪な男だ」
「ち・・・違う・・・」
「違わないよ。君は子供達を強制的に働かせ、仲間を殺し・・・エルザまでも殺そうとしていた」
次々に聞かされる、自分の事でありながら覚えていない事。
それの全ては悪の塊で、罪。
「君が不幸にした人間はどれだけいると思う?君に怯え、恐怖し・・・涙を流した人間はどれだけいると思う?」
ジェラールの目が見開かれ、表情には影が帯びる。
この地で目覚める前・・・自分が何をして来たか、その全てが悪であり罪だと、目の前のミッドナイトは語っているのだ。
「こっちに来なよ、ジェラール。君なら新たな六魔に相応しい」
漆黒の闇の中から、ミッドナイトの手が差し伸べられる。
ジェラールは突きつけられた己の罪に困惑しながらも、その手から目を逸らした。
その後ろで――――――
「私は・・・」
ゆっくりと、エルザが立ち上がる。
そして、力強く、凛と言い放つ。
「ジェラールの中の光を知っている」
淡いピンクのような紫のような着物を思わせる服を身に纏い、エルザは立ち上がる。
その右手に薙刀を持って。
(エルザ・・・)
その姿は闇の中に差し込んできた光のようで。
ジェラールは目を見開きながら、エルザに言われた一言を思い出す。
『生きて、この先の未来を確かめろ』
その言葉は、ジェラールから迷いを消す。
口元には薄い笑みが浮かんでいた。
(君の言葉こそ、オレに勇気をくれる光だよ・・・)
その姿を見たミッドナイトの口角が上がる。
「へえ・・・まだ立てるのか。噂通りだね、エルザ」
振り返ったミッドナイトは、目を見開いた。
驚愕ではなく、狂ったように。
「壊しがいがある」
それに対し、エルザは強い意志の篭った言葉を言い放つ。
「貴様等のくだらん目的は私が止めてやる。必ずな!」
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