君の言葉こそ
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ュン、と空を切り裂く音と共に向かってきた剣。
ミッドナイトはいとも簡単にその剣をかわした。
「スパイラルペイン!」
「ぐあぁあぁぁあっ!あぁああぁあ!」
ミッドナイトはエルザの周囲の空気を螺旋状に捻じ曲げ、小さな竜巻を巻き起こす。
それを喰らったエルザは叫び―――――ドサッと、力なく倒れ伏した。
「そんな・・・」
倒れ動かないエルザを見て、ジェラールは愕然と呟く。
「もう終わり?」
「強い・・・」
ミッドナイトは不気味に口角を上げ、呟く。
が、エルザは動かないし答えない。
ジェラールは起き上がろうとしながら小さく口を開いた。
「まだ死なないでよ、エルザ。化猫の宿に着くまでは遊ばせてほしいな」
「化猫の宿?」
「僕達の最初の目的地さ」
「なぜ・・・そこを狙う・・・」
ジェラールが問う。
ミッドナイトは薄い笑みを浮かべ、口を開いた。
「その昔、戦争を止める為にニルヴァーナをつくった一族がいた。ニルビット族。しかし彼らの想像以上にニルヴァーナは危険な魔法だった。だから自分達のつくった魔法を自らの手で封印した。悪用されるのを怖れ、彼らは何十年も何百年も封印を見守り続けた」
そこまで言い、ミッドナイトは一旦口を閉じ、再び開いた。
「そのニルビット族の末裔のみで形成されたギルドこそが、化猫の宿さ」
その説明は、ナツ達の方でもクロドアからされていた。
その場にいた全員が目を見開いて驚愕する。
「奴等は再びニルヴァーナを封じる力を持っている。だから滅ぼさねばならん」
「この素晴らしい力を再び眠らすなんて惜しいだろ?この力があれば、世界を混沌へと誘えるのに」
ミッドナイトの言葉が進む。
それと同時に、ジェラールの表情も怒りに染まっていく。
「そしてこれは見せしめでもある。中立を好んだニルビット族に戦争をさせる。ニルヴァーナの力で奴等の心を闇に染め、殺し合いをさせてやるんだ!ゾクゾクするだろう!?」
「下劣な・・・」
大笑いしながら言い放つミッドナイトに、ジェラールは怒りの表情で呟く。
すると、ミッドナイトの笑いがピタリと止んだ。
「正しい事を言うフリはやめなよ、ジェラール」
その言葉に、ジェラールは言葉を失った。
ジェラールには記憶がない。だから自分が悪党か善人かさえも解らない。
が、エルザは『お前には罪がある』と言った。
『乱心したお前は死者を冒涜し、仲間を傷つけ、評議員さえも破壊し・・・シモンを殺した』と。
それ
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