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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick64_信乃にしてあげることは、これだけしかないから
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ーさま!?」

急いで駆けより様子を見る。

「脈拍数、呼吸数、元に異常・・・・・力を使いすぎた時の症状と同じ・・

 玲ちゃん、急いで私の薬箱持ってきて!
 あと温泉をペットボトルに1本分ぐらい入れてきて! 容器はなんでもいいから!!」

「了解しました!」

とミサカは―――言い終わらずに部屋からダッシュで出て行った。

腰紐を外して浴衣を脱がし、触診で調べていく。

「間違いない。A・Tで力を使いすぎた時と同じ。
 息から血の匂いがする。肺から少し出血がある。

 手足は筋肉、血管の断裂が多数。倒れているのは過度な疲労。
 それ以外は・・・・特に問題は無し」

触診による詳細な結果、初診と同じで信乃の症状はA・Tの過度使用だった。

この状態では、美雪に出来る事は少なかった。
専用の塗り薬を使いしかできなかった。

そう。出来る事は少な“かった”。できな“かった”。
今日、この旅館の温泉に入ることによって過去形に変化したのだ。

「雪姉さま! 薬箱と温泉を持ってきました!!」

隣の部屋に置いていた薬箱。薬箱といっても、小さなキャスターばっく程のサイズはある。
それにペットボトルに入れた白い濁り湯の温泉を左手に持ってきていた。

素早くそれを受け取り薬の入っている小箱を出していく。

「千振、川獅、石榴果皮、西洋栃ノ木、重薬、―――――――」

次々と調合されていく。

自分の命を救った能力だが、美玲は実際に見たの初めてであり、
素早く動く手に見惚れてしまった。

「忍冬、鉱泉水。抽出、排除、生成、加薬、排除、分解、加熱、凝固、粉砕、液化」

ものの数分で世界最高レベルの軟膏を生成した。

「玲ちゃん、桶に冷水と拭うのに使うタオル持ってきて。
 私はマッサージしながら薬を塗るから」

「わかりました。他に必要なものがあれば何でも言ってください、とミレイは端的に聞きます」

「今は大丈夫」

「では桶とタオルを取ってきます」

再び美玲は部屋を出た。美雪は今作った軟膏を信乃の全身に塗ると同時に
マッサージをして体になじませていった。



「これで・・・・大丈夫だと思う」

「お疲れ様です。雪姉さま」

「ははは、なんだか前より薬の能力が上がった気がする。愛の力かな?」

それから1時間、入念にマッサージを終えた美雪は一息ついた。

「温泉湯を加える事で、薬の効果はかなり上がった。
 専用に調合したから、明日には信乃が動けるようになると思う」

「雪姉さまが私達の薬を作ったのは知っていますし、
 私の怪我とクローン体としての調整してくださったのも知ってます。
 ですが言わせてもらいます。

 パナいの、と
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