暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
54話:現実となる悪夢
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のような姿をしたものが鎌のような手を振り上げてきた。

「っ!?」
〈 Protection 〉

思わずレイジングハートを構えて、防御魔法を発動する。振り下ろされた鎌を防壁で阻んで、方向を変えて反らす。
だけど、さらにそこへ逆の鎌を薙ぎ払われて、防壁に当たる。

「―――っあああっ!?」

防壁を打ち破り、鎌が私に当たった。そのまま私は吹き飛ばされて、さっきと同じように地面に倒れた。

力の入らない腕で、やっとのことで仰向けになる。周りの状況を知るために前を見ると、虫のような姿をしたものが、こちらに向かってやってきていた。
すぐに逃げようとするけど、体が上手く動かない。ならレイジングハートを、と思ったが、さっきの衝撃で遠くへ飛ばされていた。もう手を伸ばしても届かないところにあった。
そうやっている内に、目の前にやってきた一体が、鎌のような手を振り上げてきた。

(ダメだ、もう間に合わない…)

そう思った瞬間、目を閉じた。その日の光が銀色の鎌に、眩しく反射するのが…怖かったから。

「―――ぁぁああああっ!!」

だけどそこへ物凄い轟音が響いた。
思わず目を開けると、そこには銀色の背中が。でもその銀色は、襲い掛かるようなものじゃなかった。

紺のアンダースーツに銀のアーマー、赤い複眼と頭の上にある尖がり。見たことのない姿だけど、一つだけ共通しているもの―――そのベルトだけは、同じだった。

「…つかさ、くん……」
「なのは、だいじょう―――」

―――ズブリ、と。

その時、嫌な音と一緒に、士君の脇腹から血が噴き出した。

「―――っ!?」
「…ぐっ…ぅぁ…」

一瞬、何が起きたかわからなかった。ただ…士君が苦しんでいる事だけは、その声からわかった。
すると、士君の脇腹の先から、何かが色付いていく。それはさっき、私が怖いと思った銀色の鎌だった。ただ、所々に士君の血がこびり付いていた。

「…ま、さか…透明化…!?」

さらに士君の目の前の光景も色付き始め、あの銀色の虫が現れた。それを見た士君は、苦し紛れに呟いた。

「―――…んのぉぉぉ!!」

だけど士君はすぐに声を張り上げ、剣で虫の腕の部分を切り裂いた。
腕を斬られた衝撃で後退する虫に対し、士君は剣を突き立て、さらにその剣の柄の部分を蹴り、蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた虫は少し離れたところで爆発して、突き刺さっていた剣は空中で回転しながら落下して、少し離れた場所に突き刺さった。

「はぁ…はぁ…はぁ……くぅっ…!」

それを見届けた士君は、痛々しい声を上げて片膝をついた。
だけどそんなのお構いなしに、虫はどんどん寄ってくる。それに対処する力が士君にないのは、火を見るよりも明らかだった。

「はぁ…
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