SAO編
第一章 冒険者生活
5.戦友には無粋なこと
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ながら石突でゴブリンコマンダーの足を払う。
「ふっ……はあっ!!」
重心を預けていた片足を払われたことで体勢を崩した彼奴に、更にもう一回転して槍の横薙ぎを当てる。
――相手に反撃をさせる暇を与えない。今も尚、俺を守るように戦ってくれている三人の為にも、直ぐにでもこいつを……倒す!
攻撃後、俺は二歩程下がり、両手に持った槍を上段に振り被る。
そして、踏み込むと同時に、ゴブリンコマンダー目掛けて振り下ろした。
「……ギャッ!?」
攻撃を受けた彼奴が弾かれたように顔を後ろに仰け反らす。
東雲流《朧月》。
《斬》の動きに《突》を入れる攻撃。急激な間合いの変化により相手の反応を遅らせるフェイント技。しかし、この技の真価はそれだけではない。この技の本当の意義は、《刺突の利点》と《斬撃の利点》両方を得ることが出来る、という所にある。
斬撃の速度を乗せた刺突は、その間合いの変化も相まって相手を仰け反らせる程の威力を持つ。更に引き戻しながら振り切った先端は、円を描くように勢いに流れを与えることで、速度を落とさずに斬り返しをすることが出来る。普通の刺突では、突いた後に槍を引くので一旦スピードがゼロになる瞬間が生まれるが、この《朧月》と言う技は、攻撃を次へと繋いでいくことも出来る使い勝手の良い技でもある。
「はっ! やっ! せあっ!!」
槍の間合いを維持し、連撃を放つ。
――こんな……所で……っ。
SAOの舞台となる《浮遊城アインクラッド》は、第百層まである。
だが、俺たちが居るのははまだ、第一層。全体の1パーセントすら攻略していない。
――だからこそ、こんな所で梃子摺っている場合では……無い!!
俺は、この貧弱な体に出来る、最高の動きを持って――
「ぉ……おおおっ!!」
ゴブリンコマンダーの喉元に渾身の突きを喰らわせた。
「ギ……」
槍の刃が喉に突き刺さったままのゴブリンコマンダーの目から光が無くなり……次の瞬間、無数のヒビが体表に出来たかと思うと、盛大に細かいガラス片をばら撒いて四散した。
「……キリュウさん!」
俺の戦いの決着を確認したのか、三人が笑顔を向けてくる。
「油断するな! まだ戦いは終わっていない……っ!」
しかし俺は、そんな三人を叱咤し、未だ残っている十数匹の亜人たちに槍の切先を突き出した。
その後の戦いは、予想したほど苦戦はしなかった。
指揮官と思われる《ヴァルガゴブリン・コマンダー》が倒されたせいか、残りの亜人たちの勢いは目に見えて弱くなり、疲弊した俺たち四人でも数分後には全て倒しきることが出来た。
「……お、終わったん
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