暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
5.戦友には無粋なこと
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ーゲットしているという証として《▼印のカーソル》とHPバーが現れるが、《索敵》を使うと視界のモンスター全ての頭上に《カーソル》が現れる。死角からの攻撃が一番恐い集団戦では、相手が何処にいるのかが視界端にでも解るというのは大変重要だ。カーソル群の動きで全体の動きが解れば、今後自分が移動すべき場所も特定しやすくなるし、カーソルだけ見えていれば目の前の敵の背後に居る姿の見えない敵も察知出来る。

「ッ!!」

 切先と石突を交互に連続して突き出し、ズガガガッと本来なら有り得ないような効果音を響かせながら間合いに入ってきた一体のゴブリンを光に変えた。そして直ぐさま槍を振り回して強引に道を開き、場所の移動を行う。今までの感覚から、もう直ぐ端の方のゴブリンが俺に対するヘイトが薄れる。そうすれば村へ入られてしまう。

 ――まだ、六体……かっ。

 恐らくまだ数分しか経ってはいないだろうが、一人で多勢を相手にするという状況に、俺は既に焦燥感を覚えていた。そして、戦いの最中に別のことを考えるのは自殺行為だとは解っていても、援軍の――あの三人のことを考えることを止められなかった。
そんなときだった。

「――キリュウさんっ!!」
「……っ!?」

 ――レイアの……声!?

 最初、幻聴かとも思った。だが、求めていたものが声の聞こえた先にある、という誘惑に耐え切れず、俺はレイアの声がした方向を見た。
 二十メートルほど離れた先。そこには――――ボロボロになった初期装備の白い麻シャツや灰色ベスト、その上に所々千切れている革胸鎧(レザーブレスト)を纏いながら息を切らしながら此方へ走ってきている、ルネリーたち三人が居た。

「…………ぁ」

 一瞬。ほんの一瞬だけ安堵して、俺は気を緩めてしまった。

 だから、《それ》に気付けたのは、ただの幸運だった

「……っ!」

 悪寒が走り、ルネリーたちの反対側に視線を移すと――ゴブリンたちの隙間から此方をジッと見つめている《そいつ》が居た。
 背丈は周りのゴブリンと変わらない。しかし、手足が細長く、頭と腹が大きいロウアーゴブリンと違い、《そいつ》の体はかなり引き締められており、更に革製の鎧を着込み、インディアンの様に極彩色の羽を数枚頭に付けていた。

 モンスター名《ヴァルガゴブリン・コマンダー》

 俺は、こいつがこの襲撃の指揮官だと悟った。

「…………」

 ゴブリンコマンダーは無言で右腕を大きく振りかぶった。攻撃? いやしかし、俺と奴とは約4メートルほども離れている。

 ――何を……? 飛び道具か?

 疑問と推測が浮かぶ。俺は自分の勘に従い、急ぎ槍を自身の前に掲げた。直後――。

「ぐっ……がああッ!?」

 ゴブリンコマンダーが腕を振
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