第10話
[6/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、ふ、ふ、ふつう…普通ですか…普通普通…」
竜司「まぁ仕方があるまい…今まで小姓からいきなり武士になって初めての戦だ。緊張するのも無理はないな」
久遠「それはそうだが…我はそこまで身分は気にせぬ…心優しく接していたつもりなのだがなぁ…」
竜司「身分も違えば立場も違う…感じ方も違えば物の見方も違ってくる…こればかりは慣れるまで時間がかかるだろう…気長に待つんだな」
久遠「…おい竜司…」
竜司「なんだ?」
久遠「……なんでもない」
竜司「まぁ粗方想像は付く。初めて会ったとき、俺は堂々としていたのだから、ひよも慣れるだろうと思ったんだろう?」
久遠「……うむ」
竜司「それは簡単。俺がこの時代の、この世界の住人ではないからな。身分とかそういうのは元から気にしていなかったから」
久遠「………」
ひよ子「あぅあぅ!ごめんなさぃぃぃぃぃ!私が愚図でノロマなばかりに、ご気分を悪くさせてしまってぇ…!」
久遠「怒りはせん。だが猿よ。こやつの申すことは最もだが、こやつに接するように我と接して構わんのだぞ?」
ひよ子「無理ですぅ!」
久遠「……」
ひよ子の全力の否定に口をポカーンとさせる久遠。
その表情に呆れる俺。
竜司「…(やれやれ…)」
久遠「り、竜司ぃ!何とかせよ!」
竜司「やれやれ…仕方のない。なら久遠、そしてひよ。お前ら二人、互いに真名を交換しろ。親しくなるにはまず互いの名を呼ぶところからだ」
久遠「そ、そうなのか?おい猿」
ひよ子「は、はい!」
久遠「これから我はそちのことをひよと呼ぶ。貴様も我のことは久遠と呼べ。これは命令だ」
ひよ子「そ、そんな恐れ多いことできませんよぉ!」
久遠「こやつのことは気安くお頭と呼んでおるではないか。…構わん。呼べ」
ひよ子「で、でもぉぉぉお!」
竜司「ひよ」
ひよ子「は、はい!」
竜司「ひよも言っていただろう。その者の優しさを有り難く受け取らないと、逆にその者にも失礼にあたると。今久遠はひよに真名を呼ぶことを許した。それは久遠の優しさだ。だからひよはその優しさを受け取る義務がある。ここは有り難く頂戴し、君もひよと呼ぶことを許せばいい」
ひよ子「は、はひぃぃぃぃぃ…」
竜司「よし。ならお互いが納得したところで報告を続けよう。ひよ、次はしっかりやれ。だが決して肩肘を張らず、深呼吸をしてゆっくりでいい」
ひよ子「が、頑張ります!」
そう言うと大きく二回、深呼吸をして先程まとめた大福帳を取り出し、久遠の前に差し出す。
ひよ子「その、今回の墨俣築城に際し、おおよそ二千二十一貫の銭が必要になると計算が出ましたー!」
久遠「ふむ。見
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ