第10話
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ないなと思ってな」
久遠「竜司は今まで何人殺めて来たのだ?」
竜司「さて、ね。今まではこんな感情になることはなかった…多分それは俺が一人だったからかも知れんな。けど今は…守るものが増えてしまった…」
久遠「後悔…しているのか?」
竜司「さぁどうだろう。少なくとも最近、俺はここの生活も気に入ってる。ひよやころ、そして久遠やみんな…守るものも増え、今結構充実してる。こんな気持ちは初めてだ。今まで感じたことのない…だが、悪くない。そして守る戦いなんてやったことがなかったからな。急に気が抜けた」
久遠「うむ。よい。あれほどの困難な任務を成しとけ、初陣を飾ったのだ。さすがは我の夫よ」
竜司「これで皆…少しは認めてくれるかな…」
久遠「心配せずとも、皆、貴様のことは認めておる。ともあれ、これでしばらくは美濃攻略に集中できる。…貴様はしばらく休んでおれ」
竜司「すまん。あぁそうだ…蜂須賀小六のことはどうなった?」
久遠「あぁ、それならすでに使者を出して、本人に伝えてある。これで祝ってやれ」
そう言うと、久遠は懐から小さな袋を取り出し、俺に渡す。
その袋はずっしりとした重みで中からジャラジャラと音が聞こえる。
どうやら金のようだ。今回墨俣築城の報酬だろう。
竜司「了解。有り難くもらっておくよ」
そして久遠はまだ仕事があるらしいので城に残るといい。俺は城を後にした。
ひよ子「お頭ぁああああああ!」
転子「お頭!おはようございます!」
城から出て、城下を歩いていると、向こうからひよ子と転子がやってきた。
竜司「おはよう。ひよ。そしてころ。織田家への仕官。おめでとう。これで正式に仲間ってことになるな」
転子「ありがとうございます!あの…久遠様より、竜司様から進言があったと聞いて、どのようにお礼をしたらいいか…!」
竜司「なに。これくらいどうということはない。これで俺も少しは楽出来るだろうし、ひよも仕事がやりやすいだろうからな」
ひよ子「もう…竜司様ったら。…えへへ、でも、これでころちゃんといつでも一緒にいられるねぇ〜?」
竜司「一緒にってことはつまり…」
転子「はい!久遠様のご命令で、正式に竜司隊に所属することになったんです!」
ひよ子「それに竜司隊の長屋も作ってくれたんですよ!へへー。だからいつでも一緒だなって♪ころちゃんのお鍋が食べ放題ぃ〜…じゅるる」
竜司「ひよ…よだれよだれ…」
転子「あははっ、いつでも作ってあげるけど、ひよもちゃんと手伝ってよ?」
ひよ子「うん!」
竜司「いつの間に…」
元々俺の隊は俺と、ひよ子しかいない部隊。
隊としての動きなど元から出来なかった。
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