第10話
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合、普通は鏑矢の音で知らせるのだが、敵はただ弾を外しただけだと勘違いし、油断するだろう。
そこを狙って今回は俺が合図することにしたのだ。
俺の合図に東に伏せた兵たちが旗を掲げ、閧の声を張り上げる。
斎藤飛騨「な、なんだ!」
斎藤家足軽「も、申し上げます!東より、織田木瓜の旗を確認!敵の増援です!」
斎藤飛騨「な、なんだと!ということは…竹中半兵衛がしくじったと言うのか!」
斎藤家足軽「お、おそらく!」
斎藤飛騨「くっ…しかし今退く訳には…!」
普通は退く場面なのだが、この斎藤飛騨という少女は今まで織田家を侮っていたせいか、中々引こうとはしない。すると、周りの兵が徐々に混乱してきた。
斎藤家足軽「もう駄目だぁ!当方敗北!当方敗北ぅ!皆逃げろぉ!」
斎藤家足軽「こんなところで死にたくねぇ!逃げろぉおおお!」
斎藤飛騨「こ、こら!おい逃げるな!それでも誇り高き美濃侍かぁ!取って返して戦え!くっ足軽どもの腰が引けててこれでは戦にならん!退け!退けぃ!足軽どものせいでこの戦、最早我らに勝ち目はない!稲葉山城に戻る!」
斎藤家足軽「し、しかし!これでは墨俣に城が!」
斎藤飛騨「わかっておる!だが足軽が逃げたら戦にならんではないか!逃げるのではない!足軽は逃げたから仕方なく一度退くだけだ!」
斎藤家足軽「は、はっ!皆退け!退けぃ!」
竜司「敵が退いて行くみたいだな…ころ!追撃だ!」
転子「はい!」
ひよ子「ああん!みんな待ってよぉ!」
敵が退くのを確認して俺達は更に追尾する。
だが、一気呵成に攻め込むのではなく、あくまで追うふりをするだけだ。
それだけで、戦意をなくしている今の美濃の兵には十分な追い討ちになった。
ある程度追い散らし、あまり距離を置かないためこれ以上の追尾は不要と判断し、本陣に戻り、後は久遠の到着を待つばかりとなった。
竜司「はぁ…」
ひよ子「はぁ、ひぃ、ふぅ、へぇ、ほぉ…」
転子「あ、あははっ、ひよってば変な声ぇ〜」
ひよ子「だ、だってぇ〜…」
竜司「まぁ、何はともあれ、敵は追い払った。皆よくやった!」
俺の言葉を聞き、あちこちで勝鬨が上がる。
竜司「とりあえず、これでしばらくは美濃の兵もおとなしくなるだろう。後は久遠が来るまで、作業を進めればいい。それくらいの余裕もある」
ひよ子、転子「「はい!」」
竜司「それじゃあ、被害状況を報告してくれ」
転子「はい!竜司様が前線で敵を抑えていただいたお陰で、こちらの死者はありません。まぁ多少のけが人はいますけど、被害といってもたかが知れてる程度です」
ひよ子「なお、墨俣城築城も約五割は完成している模様で
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