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戦国†恋姫 外史に飛ばされし者
第10話
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切衆生を救い給う阿弥陀様の化身と言われる御身のご尊顔を拝し奉ること、卑賎の身でありながら恐悦至極ーーーー」

竜司「やっぱりこうなったか…いや、まぁ確かに神様からこの世界に送り込まれたのは事実だけど、俺自身はただの人間だから!いや…見た目以上に歳は行ってるけど…別に気兼ねしなくても構わないから!」

転子「しかし…!」


 それからは跪く体制を崩そうとはせず、完全に困惑してしまう。


竜司「ひよ。何とかしてくれ…話が進まん」

ひよ子「ええと、あのね、ころちゃん。竜司様はすごい人なんだけど、身分とか気にしない、お優しい人なんだよ!だからころちゃん、竜司様のお優しさを有り難く頂戴しないと、それこそ逆に失礼になっちゃうよ?」

転子「そ、そういうものなの?」

竜司「それで構わない。俺の配下や公式の場としてならともかく、会話をするなら常に対等の立場で会話をしたいと俺は常々考えている。それに、俺自身肩肘張って話すのは好きじゃないんだ。だから君も、緊張せずに接してくれたら有難い」

転子「ええっと…」


 こっちの世界での普通とは違う竜司の返答に戸惑っている様子。


竜司「ダメか?」

転子「…本当に御宜しいので?」

竜司「あぁ。是非そうしてくれ」

転子「あっ…その!し、承知しました!」

竜司「ありがとう」

転子「………はぁ〜。やっぱり変な方ですね。私なんかにそんな気軽にお礼をお言いになるなんて」

ひよ子「変じゃないよ!お優しい方なんだよ!」

転子「はいはい。じゃあそういうことにしとくわ。…それでひよ。今日は一体?」


 やっと本題に入れることにホッと安堵の息を吐き、俺が説明しようと前に出る。


竜司「ここからは、俺が説明しよう。今回君に会いに来たのはほかでもない。実は野武士の棟梁である蜂須賀小六正勝殿に、ある依頼をしに参った次第だ」

転子「は、はい!依頼…ですか?」

竜司「あぁ。近々、墨俣に城を築くことになったので、君達にはその手伝いをしてほしい」


 依頼を聞いて、【墨俣築城】に反応したのだろう、転子の瞳が鋭くなり、顔が引き締まる。


転子「…なるほど。野武士を纏めている私の力が必要。そういうことですね」

竜司「理解が早くて助かる。それで返答を…」

転子「お待ちを。ここで立ち話をするような案件ではありません。詳しい話は私の長屋の中で致しましょう。荒ら屋ではございますが、どうぞ中へーー」


 確かにこんな太陽の下で話すような案件ではないなと判断し、転子に促され、俺達は転子の家に入ることにした。


転子「清洲織田の殿様が、墨俣の地に城を築こうとしているという噂は、予てより耳にしておりました。それに先日
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