暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『三十三話』〜歌姫を探せ 前編〜
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 夕日が沈み始めようとする時刻。

 海鳴市のとある公園で


「はぁ……」


 長い黒髪を後ろで束ねた少年――拓斗はため息をついた。





 木の上で。

 その理由は――





「おい! いたか!?」

「こっちにはいない!」

「本当にここにいるの!?」

「とにかくしらみつぶしに探すんだ!!」


 何かを必死に捜す多くの大人達と


「一体どこにいるのよ!?」

「見つからないね〜」

「何処にいるのかな?」

「もう絶対に見つけてやるんだから!!」

「「「おぉー!!」」」


 同じく何かを捜すなのは、アリサ、すずかの三人。

 はぁ…もう本当に……


「なにがどうしてこうなった……」










 理由はその日のお昼時まで遡る。


 拓斗side

「ねぇ、なのは達はもうこれ見た?」


 邪の者事件と呼ばれる一件が終わって約二週間。

 昼食をとっている時にアリサがそんな事を言いながら取り出したのは一冊の雑誌。


「見た見た! まさか雑誌に載っちゃうほどに有名になっちゃったんだね!」

「すごいよね! 私去年からファンなんだ!」


 それに少し興奮した様子で答えるなのはとすずか。


「? 何の話だ?」

「何よ拓斗、アンタ知らないの? これよこれ!」


 そう言ってアリサが俺に突き出したのは『海鳴タイムズ』と書かれた週刊誌。


「どこだ?」

「ここよここ! 読んでみなさいよ!!」


 それを受け取ってページをめくりながら聞く俺にアリサも興奮した様子でとある一面を指差す。
 そこには、


「『発見! 海鳴の神秘! 月夜に響く歌姫のコンサート!!』? なんだこりゃ?」

「拓斗君知らないの? 結構前から有名だよ?」

「そんなに有名なのか?」

「本当に知らないんだ……えっと、簡単に言うとね」










 すずかの話によると事の始まりは今から約三年か四年前に遡る。

 夕日が沈んでいる時に綺麗な歌声が聞こえたらしい。

 それはその日だけでなくほぼ毎日夕日が沈み始めてから終わるまでの間に聞こえるとのこと。

 その歌声は聴く人々を魅了し虜にするようなものだそうだ。

 そのことから人々はその歌声を『月夜の歌姫』と呼ぶようになったとさ。










「わかったのいいが……何で月夜なんだ? 夕日が沈んでいる間なんだろ?」

「そんなのアタシが知るわけないじゃない」


 それもそうか。
 しかし、『月夜の歌姫』ねぇ〜
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ