真夜中討伐戦
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悪党―――だが、ティアが重要視しているのはそこじゃなかった。
自分達を庇って死んだ男を思い出し、ティアはぎゅっと拳を握りしめる。
すると、声が響いた。
〈皆さん、聞こえますか?〉
『!』
響いてきた声に反応を示す。
〈私デス、ホットアイデス〉
「リチャード殿!?無事なのか!?」
「念話!?大勢に」
「誰だ!?」
「・・・」
〈残念ながら無事ではありませんデス〉
聞こえてきた声の主はリチャード。
唯一『リチャード』としての面識がないナツは戸惑ったような声を上げる。
〈ミッドナイトにはやはり叶わなかった。皆さんの力を合わせてミッドナイトを倒してください。奴を倒せばニルヴァーナへの魔力供給が止まり・・・この都市は停止するハズ〉
「生体リンク魔法で動いてやがったのか・・・」
「ふえー」
リチャードの言葉に納得する一同。
が、その中で唯一ティアだけが射抜くような瞳で空を睨んでいた。
〈奴は王の間の真下にいマス。気を付けてください・・・奴はとても、とても強いデス〉
「リチャード殿・・・」
「この真下!?」
「おし!希望が見えてきたぞ」
「強い奴か・・・燃えてきたぞ」
「ナツ・・・止める為だよ」
何か間違っているナツにハッピーがツッコむ。
そんな中、ティアだけはヒラヒラと手を振っていた。
「はいはい、いってらっしゃい」
「は?」
「え?」
面倒そうというか何というかの態度にナツ達の目線がティアに向く。
ティアはタン、と軽い足取りでヴィーテルシアに跨ると、呟いた。
「ウェンディ達を追うわよ。ヴィーテルシア、飛べる?」
「問題なしだ・・・やっとティアを乗せて飛べるな」
バサッと翼を生やし、一瞬で宙へと飛ぶヴィーテルシア。
「おいティア!今から強い奴倒しに行くんだぞ!?」
「だからアンタ達だけで行きなさいよ。私は自分から落とし穴に引っかかるほど不用心じゃないんでね」
「は?どういう・・・」
「それじゃあ!」
ナツの言葉にティアは意味不明な一言を残すと、ウェンディ達を追うべくヴィーテルシアと共に飛んで行った。
「・・・よく解んねぇけどさァ、オレはエルザ探しに行ってくるぞー」
「アルカ殿!?」
「ん?だってよォ、エルザ探してこの真下連れてった方が戦力になるだろ?だから」
パチン、と指を鳴らす。
すると、アルカの背中に熱気を纏う紅蓮の翼が広がった。
悪魔を思わせる翼を軽く揺らし、地面を軽く蹴る。
「んじゃ、そっちは任せたぞ!ルー!」
「OK!」
そして下へと落下していった。
建物すれすれをアルカは飛んでいく。
「という訳で、とりあえず・・・」
「行くぞ!」
ルーの言葉に続けるように、ナツが叫ぶ。
こう
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