暁 〜小説投稿サイト〜
戦争を知る世代
第九話 緊急学徒動員策
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ります。大丈夫、みなさんが前線に出ることはありません。安心してください。」


教室は少しほっとしたような空気に包まれた。
横にいるハナも少し緊張が解けたような感じ。

少し教室がざわついてきただろうか。
きっと不安だったものが少し解け、お互いに話す余裕が出来たのだろう。
生徒同士話している声が聞こえる。

“俺なら前に出ても大丈夫だぜー”

“後方なら安全だよね”

“ここで活躍して一気に火影だ!”

“やる気てできたー”


そんな言葉が聞こえる。




「さぁさぁ、静かに!これから任務を共にするチームを発表します。スリーマンセルで組み、隊長に中忍、上忍のどちらかが付きます。チーム分けはこちらで決めました。名前を呼びますのでチームを確認し、その後隊長と打ち合わせをして今後の予定を決めてください。」



生徒たちはいつの間にか、遠足にでも行く気分になっているような感じだ。
ワイワイと叫び、自分が活躍するような未来を話し、期待を抱いている。
高揚し、騒ぎ、浮かれている。



僕はそんな光景を外から見ているような感覚だった。
まるで、劇場で喜劇を観ている観客のように。
大きな赤いカーテンが目立つ舞台、その舞台で躍り狂ったように走り回る役者。アハハと高い声で鳴き、ケラケラと笑い、うそのような自分の武勇伝を大声で話す。



そんな感じだ・・・



後方支援なら大丈夫だと、誰が決めたんだろう。
前線に出ないから大丈夫だと。

戦争に絶対はない。
戦況によっては前線が後方に、後方が前線になることもある。

戦争に出るからには“死”を覚悟しないといけない。

自分の“死”

仲間の“死”

敵の“死”


自分だって偉そうに言ってるけど、戦場に出たことなんてない。
でも、大切な人を無くす気持ちは知っている。

心にポカンと大きな穴が空いたように何も考えられなくなる。
その大きな穴には、虚しい気持ち、悲しい気持ち、嘆くような気持ち、そんな苦しくて重いものしか残らない。


そんな気持ちは二度としたくない。




不安が僕を押し潰しそうだった。
ぎゅっ、ぎゅぎゅって。







同日 木の葉隠れの里 役所 執務室

三代目火影
猿飛ヒルゼン






執務室は暗く、重い空気が漂っていた。
まるで戦場のように負の気持ちが場を占めており、鋭い緊張が張りつめている。



「ヒルゼン、まだ迷っているのか?もう決まったことだ。」
しゃがれた低い声が響く。

声の主は、黒い大きな着物を羽織っており、右手は着物の中なのか隠している。それと同じく右目は包帯で覆っており、ま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ