第5章 契約
第84話 あなたを……愛している
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と言った方が正解かも知れませんか。
それにしても……。
成るほど。ガリカニズムで、教皇特使でさえ行動に制限が加えられるガリアに対しては、ロマリアと雖も、大々的なそのネットワークを使用した情報の拡散は出来ないと言う事ですか。
まして、ガリアは新教に属する教会が多い以上、旧教の主導で行う聖戦には反対の立場を取る聖職者が出て来る可能性の方が高いですし。
確か、今の教皇に成ってから何度もガリアの各地に高位の聖職者を送り込んで来て、新教から、旧教に戻るように説得を行って来たらしいのですが、その効果は……。
それに、イザベラの答えの意味は、中世程度の伝播速度の情報にしか触れて来なかったガリアの住民に対して新しい情報を与える事に因り、其処から自発的な文化の発展を促そう、と言う事なのでしょう。
御上が押し付ける類の物ではない、住民の中から発生する類の。
無理矢理、学校などを作って強制的に子供を通わせる因りは、日曜学校などで少しずつ子供に文字や簡単な計算方法などを教えて行く。
更に大人に対しても、今まで触れる事のなかった新しい作物や情報などを与える事に因って知識の幅を広めて行く。
同時に、新しい作物や産業は民に富みをもたらせる物に成るのは確実。
何故ならば、俺が持ち込んだ物はすべて地球世界で富をもたらし、生活に余裕を与えてくれた物ばかりです。
少しずつ民が豊かになって行けば、その余剰が貴重な労働力としての子供、と言う部分を失くして行き、子供たちに学校に通う余裕を産み出す事も可能と成りますから。
時間は掛かるけど、急激な変化よりは、このようなゆっくりとした変化の方がこのハルケギニア世界には相応しいのかも知れません。
何事につけても急激な変化と言う物は、少なくない反発も産み出す物ですから。
もっとも、そんな事は、今はあまり関係が有りませんか。
それならば次は……。
「湖の乙女、それにティターニア。アルビオンが浮いているのは、精霊力の暴走などではなく、何らかの呪いの作用なのは確かなんやな?」
俺の問い掛けに無言で首肯く湖の乙女と、はい、と言うしっかりとした声で答えるティターニア。
そんな俺に対して、
「ルイス。あんたには、その呪いとやらを返す方法が有ると言うのかい?」
意外に落ち着いた声音で問い返して来るイザベラ。
そして、その問いと、その時に発して居た彼女の雰囲気で確信する。彼女は俺を試して居ると言う事に。但し、何の為にそんな事をしているのかは判りませんが……。
まさか、このままガリアの王に俺を据える為……俺のオツムの出来具合を見定める為、だとは思いたく有りませんが。
もっとも、俺の場合は、単に地球世界の歴史を知って居るからこう言う情
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