DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第十七話
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
真っ暗な洞窟に、ぴちゃん、ぴちゃん、と、水の垂れる音がする。光源となっているのは、ところどころに配置された、発光する水晶だ。どことなくアインクラッドの迷宮区を彷彿とさせる洞窟だったが、ともに歩いているのはかつての《聖剣騎士団》の仲間たちではない。
カズを先頭に、リーリュウ、ハクガ、コクト。ハクアはついてこなかった。《ジ・アリス・レプリカ》の中で出会った仲間たちと共に、セモンは今、この世界最強級のアイテムを獲得すべく、ダンジョンの先へと進んでいる。
《ジ・アリス・レプリカ》のフィールドの名前は、《六門世界》と呼ばれている。その果てには、魔力を発する光の門がある、という伝承から、そのように呼ばれるようになったらしい。しかし、その《六門》に辿り着いたものは誰一人としていないという。なぜなら、《六門世界》の中心部分を、巨大な山脈がぐるりと囲ってしまっているからだ。
山脈の中でも特に高い山々が、《方位の山》と呼ばれているらしい。方位の山からは《冥刀》、それも《伝承級》と呼ばれる、最強クラスの《冥刀》が発見されているらしい。
《東の山》からは魂を引き裂く真紅の刀《東血桜》が。
《西の山》からは肉体を切り裂く白き刀《西肌雪》が。
《北の山》からは神をも殺す大剣《断裁》が。
《南の山》からは永劫不滅の黄金の剣《天輪》が。
《北東の山》からは嵐を起こす槍《青乱》が。
《南東の山》からは神の鋼をも絶つ刀《紫雲刃》が。
《北西の山》からは神木も切り裂く大斧《大地讃頌》が。
《南西の山》からはいかな神罰にも耐える剣《常盤刃》が。
それを教えてくれたのは、今、自分たちを先導して歩く一人の少年だ。
零、というなのその少年の美しい白髪に代表される容姿は、非常に目を引く。しかし、セモンが気にしているのはそのまるで少女の様な容姿ではなく、その頭部に生えた《角》だ。
透き通っているのである。まるで水晶か何かの様に。
「……コクトさん」
セモンは前を歩くコクトに話しかける。目だけで彼が「何だ」と言っているのが分かるので、質問を続ける。
「あの……零さんに生えてる角……今まで見た鬼族と違いますよね……」
現在セモン達が歩いているのは、《西の山》近辺の《鬼族の村》周辺にある洞窟だ。立ち寄った村などで出迎えてくれたのは皆鬼族。彼らは《西の鬼》と呼ばれる種族で、《東の山》付近に生息する《東の鬼》と呼ばれる種族とは友好関係であり対立関係でもあるという。
そんな彼らに優しく見送られつつ辿り着いたこの洞窟で、「案内
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ