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いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て
第11話 登場!武術の達人、武泰斗
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 ある日、ナシゴがいつもの日課である、カリン塔のてっぺんから全速力で降りる修行をこなしている時。
「おはよう! ニラ」
「おはようございます。ナシゴさん」

 アパの息子、ニラとのお決まりの挨拶を交わす。と、いつもとは違い、知らない人間が一人、ニラのそばに立っていた。
「あなたが、ナシゴ様ですね! 私、自分で言うのも恥ずかしいのですが武泰斗なんて名前で格闘家をやっております」
「え、あぁ、よろしくお願いします。ナシゴです」
 いきなりの武泰斗と名乗る人物の登場に、ナシゴは驚き、何とか返事を返す。武泰斗といえば、亀仙人や鶴仙人の師匠である。その彼かどうか分からないが、ナシゴは武泰斗を改めて良く観察した。見た目はまだまだ若々しく20代前半ぐらいだろうか。まだ黒髪に無精髭を生やしている。言動とは反対に武術に対してかなり自信を持っているような人物だった。
「これから、カリン塔を登るのですか?」
 武泰斗の疑問の言葉に、ナシゴは答える。
「えぇ、そうです。これが日課ですからね」
 ナシゴはいつも登っている、カリン塔を一度眺めながら答えた。
「ご一緒してもよろしいですか?」
「大丈夫ですよ、カリン塔は武を極めんとする者の挑戦を拒みません」
 武泰斗から感じる気はかなり高く、彼ならカリン塔を登るのなら簡単にできそうなくらいの力はあることをナシゴは把握した。なので、簡単に了承して付いてくるように武泰斗に言った。

「じゃぁ、付いてきてください。また明日な、ニラ!」
 ナシゴは、先導してカリン塔を登り始めた。と言ってもいつものペースの半分以下のスピードでだが。
「行ってらっしゃい、ナシゴさん。武泰斗さん」
 武泰斗は、最初はおっかなびっくりカリン塔に手を掛け、足を掛け何とか登り進む。武泰斗はしばらく登り慣れてきたら、だんだんとスピードを上げだしたので、ナシゴも合わせてスピードを上げる。まだまだ、ナシゴの日課としてのいつものスピードには遠く及ばなかったが。

 中腹ほどまで来た時、急に武泰斗の登るスピードが落ち始めた。
「ま、まだてっぺんまで到着しないのですか……?」
 武泰斗が苦しそうに、ナシゴに対しててっぺんはまだかと聞き出した。
「今は中腹辺りだけれど、大丈夫か?」

 ナシゴは、武泰斗の力を測り間違えたかと考えた。確かに、地上に居た時に感じた武泰斗の気の高さから、簡単だろうと思ったが、今は武泰斗の気が落ちだして、あらためて見直すと、残り体力はカリン塔をギリギリ登りきれるかどうかという感じだ。
ナシゴはさすがに手を貸してやるというわけにもいかず、黙々と登る以外方法はなかったので、その通りにした。もしも、本当にダメそうなら助けるが、まだギリギリ体力は残っていそうなので、頑張ってもらうことにした。武泰斗も、その後弱音は吐か
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