第41話。変人と七夜の技。
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晋吾は攻める。左で順突、所謂ジャブ。鋭い拳を七夜は首捻って避ける。
すかさず右ストレート。お手本通りのワン・ツー。流石の七夜も回避が間に合わず、腕で受ける。
「グゥ!」
凄まじい衝撃に腕が弾ける。止まる七夜。晋吾はこの機を逃さない。
ワン・ツーからの左でレバーブロー。綺麗に打ち分けたコンビネーションブローは七夜の腹を捉える。
「ッ―――!」
腹で爆弾が破裂したような衝撃を受け、七夜は悶絶。
体を離し、晋吾は右脚で廻し蹴り。七夜の首を狙う。
七夜は後方倒立回転とび、バク転をして後方に飛び退き、躱す。
「おいおい。腹痛くないんかい。」
「痛がっていたら、首がおさらばなんでね。生にしがみつく、獣の本能さ。」
言い切った後、七夜がまた消える。
「うぉ!」
七夜は晋吾の上空に姿を現し、頭上から斬撃。晋吾は驚きを隠せない。
ギリギリで躱したつもりが、ナイフが当たった感覚。
「?・・ッ!?ヤベッ」
右の視界が突然赤くなり、右眼を触ってみると血が手につく。
傷は浅いがダメージは大きい。
「おいおい。手応えは頭蓋骨を砕く勢いだったのにそれだけか。」
「いやいや、視界完全に塞がっとるから。・・血を拭く時間をください」
「悪いねっ」
七夜は飛び上がり、空中から斜め下に向けて直進する蹴りを放つ。
晋吾は腕で受ける。そして着地と同時に死角に向け、ナイフの柄で殴りつける。
「グッ・・!」
「蹴り・・・・穿つッ!!」
ドンッ!と腹に衝撃。
「けやっ!!」
七夜はさらに宙で一回転し、踵を落とす。
晋吾の目には、落ちてくる踵が、まるでスローモーション映像を見るように映った。
(まだだッ!たかが右眼がやられただけで!!)
晋吾は風のような速さで、落ちてくる七夜の背後を取る。
七夜の着地と同時に、ナイフを持った左腕を掴み、逆関節を極め、一本背負の如く投げる。
七夜はその勢いに合わせて飛ぶ。飛ばなければ腕が折れる。
そして向き合う形で着地。晋吾は七夜の懐に飛び込み、再び逆関節を極め、腰を入れ、今度は対面での一本背負。
背負いか――。七夜は警戒し四肢に力を入れる。
寸での所で晋吾は右手を外し、背負いの勢いのまま、七夜の脇に肘を入れる。
「――――――――ッ!」
先程食らったレバーブロー。
服の上からでは分からないが、内出血し、赤紫の花を咲かせたそこに、寸も違わぬ精度で、打ち抜いた。
流石の七夜も声にならない悲鳴を上げる。
晋吾は再び腕を取り、七夜の左側方に円を描くように移動しながら、逆関
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