SAO編
第一章 冒険者生活
4.違和感の正体
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「………………」
俺は、漸く遠目にだが視認出来るようになった《魔物の群れ》を見渡した。
此処から見える限りでは、トカゲ、歩く植物、ネズミ、犬などの動植物型モンスター、そしてやはりと言うべきか剣技を扱う亜人型モンスターの《ロウアー・ゴブリン》も確認できた。割合は動植物型と亜人型で半々といった感じか。やはり亜人型が多いようだ。
部隊構成も隊列も何も無く、ただ色々なモンスターが混じり、一塊となって近づいて来る。
――ここまでは予想通り、か。しかし……。
目算だが、敵の数はNPCから聞いていた二百という数よりも少なく見える。百匹も居ない。七、八十匹といった所か。
左側の門にこれだけしか居ないというならば、逆の右側の門にモンスターが集中しているのだろうか。
「う、うわああああああ!!?」
俺がそう思考していると、近くで叫び声が上がった。……この声は、確かネルソンと言ったか。
視線だけを動かして周囲を見ると、この場に居る殆んどの者がその顔に恐怖を浮かべていた。
「キ、キリュウさん……っ」
ルネリーとレイアが、心細さからか俺のコートの裾を両脇から掴む。
――拙いな……。
普段ならば、その反応を仕方ないと思うだけだっただろう。何十という敵意、殺意が自分たちに向けられる事なんて、学校での虐めなんかの比ではない。常日頃から殺気や闘気に中てられている訳でもない者たちには、この反応は至極当然とも言っていい。
しかし、それでは困る。流石にあれだけの数は俺一人では対処しきれない。この場に居る全員の協力が必要だ。
「…………」
俺は一列に並んだプレイヤーたちの前方数メートルの、石橋に差し掛かる所まで歩いた。
掴まったままだったルネリーとレイアは急に動いた俺に「……あっ」と驚いて手を離してしまったようだ。心の中で二人に謝罪をする。
そして俺はフレンドリストを呼び出し、向こうのPTLであるクラウド、ジョーストの両名に同じ内容のメッセージを送った。
『敵視認。此方、亜人型、動植物型、比率一対一混成部隊。敵数百未満。其方ハ如何カ』
出来るだけ完結にしたつもりだが、少し読みにくさを感じるか? いやしかし、打ち直している暇も無い。
俺は左手に持っていた槍を両手で持ち直す。
――さて、まずは固まってしまっている者たちの意識を戻すか……。
直立姿勢のまま、俺は重力に身を任せて前に倒れる。そして左足を前に出し、石橋を踏み砕く勢いでワザと大きな音を出しながら四股を踏んで腰を落とす。
「っ!?」
その音に驚いたのか、プレイヤーたちの視線が自分に集まるのを感じた。
――さあ、場の
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