SAO編
第一章 冒険者生活
4.違和感の正体
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そうして結論を得た私は再び剣を構えて、今の自分に出来る事であるルネリーたちのフォローに走りました。
◆
「んく、んく、んく……はぁ」
俺は森側の門へと続く大通りを走りながら、腰のポーチから取り出した《回復ポーション》を一気に飲み干した。俺たちが戦っていた川側の門から森側の門へは、距離にして二百メートルほどだ。時間にすれば直に着く。しかし逆を言えばHPを回復させる時間が無いということでもある。
空になったポーションの瓶を投げ捨て、Y字路の通りを下に曲がりながら俺は己のHP残量を見た。
――三割と少し……という所か。
もし予感が当たったときにの為に、せめて五割は回復しておいて欲しいが……この様子では望み薄そうだ。
亀の歩みの如くゆっくりと回復していくHPにもどかしさを感じながら、今度は武器の耐久値を見る。
――此方も三割程度か……。
心許ない数値ではあるが胸騒ぎは尚も続行中だ。寄り道する時間など無いという思いに駆られる。
「……ただの俺の思い違いであってくれれば……――――っ、やはりそうも行かないか」
視界の正面、約四十メートル先に構える木製のアーチ型門。その門の更に先の森、木々が鬱蒼と生い茂り、その奥が深遠になっているかのような暗闇から――――《亜人型のモンスター》たちが次々と飛び出して来ていた。
予想が当たって、こんなにも嬉しくないのも初めてかもしれない。
――ギリギリだが、間に合った……かっ。
「ハアッ!!」
俺は走る勢いそのままに、門の内側に入ろうとする五匹のゴブリンたちを、低い軌道の《弓風》で足を薙いで転倒させ、門の前に陣取った。そして《弓風》の範囲外にいた三匹のゴブリンに一度ずつ突きを放つことで敵愾心を煽り、全てのゴブリンに俺を標的と認識させた。
――亜人型八匹か……。これなら余裕だ。川側の門も、もう大丈夫だろう。十数匹程度、今の三人の敵ではない。問題はクラウドさんたちが守っている門がどうなっているかだな……。
だがルネリーたちの所の戦闘が終われば、クラウドさんの所にも応援を向かわせることが出来る。
「……あとは、此処を何とかすれば…………っ!?」
僅かに見えた光明につい安堵交じりの声を出すが、それを否定するかのように森の奥の暗闇から次々とゴブリンたちが湧いてきた。……その数、目算で約四十匹。
「…………っ。此処が、正念場か……!」
俺は覚悟を決めると、槍を構え直した。
――俺一人で四十匹……か。
此処にはルネリーたちも居ないし、援軍も何時になるか正確には解らない。
唯一の救いは、敵が全て亜人型モンスターしか居ないとい
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