SAO編
第一章 冒険者生活
4.違和感の正体
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どちらも百匹も居ないという。残りは一体何処に行ってしまったのか……
「…………っ!?」
突如、悪寒とも言える《ある予感》が俺を襲った。
襲ってくる方向とは真逆に居た、普段は居ない筈のモンスター。
そして、最初に聞いた二百匹という数に満たないモンスターの数。
そこから導かれる答えは――
「…………まさか、斥候……か?」
最初に遭遇した亜人。あれがモンスターたちの《斥候》の役割を担っていたんだとすれば……。川側ではなく、《森側からの襲撃》の為の斥候だったとすれば、あの場所に居た説明もつく。
――いや、しかしっ。
森に居た亜人は俺自身が排除した。斥候なのだったとしたら、報告に戻らない斥候が行った場所からなど襲撃はしないだろう。
それに、NPCも川側からの襲撃のことしか言っていなかった。群れを目撃された場所から森側の門までは、川を越えて回り込む必要がある。普通ならば……そう、現実ならば《それ》は有り得ない。
「…………くっ」
しかし、有り得ないと思ってはいても嫌な予感は消えない。寧ろ次第に大きくなっていく。
俺は周囲を確認した。既にモンスターは十数匹まで減っていた。
――これならば、もう俺が居なくても大丈夫だろう……っ。
俺はソードスキルを放っている三人に聞こえるように大声で言った。
「ルネリー! レイア! チマ! 此処は任せる! 俺は森側の門に行く!」
言いながら三人の横を走り抜ける。
「へ? ……ええっ!?」
「え……っ、どういうことですか?」
「ちょっ!? な、何なんスかーっ!?」
ドップラー効果のように三人の疑問の叫び声が小さくなる。
――済まない。説明している暇は無い。この予感が間違いであってくれれば後でいくらでも謝る!
胸中で三人に謝りながら、俺は今現在出せる最高の速度を持ってモンスターたちを振り切り、大通りを走って森側の門へと向かった。
◆
――ど、どうして……?
モンスターの数が十五匹を切り、あと少しで全部倒しきるといった所で、いきなりキリュウさんが「森側の門に行く」と言って、言葉通りの方向へ走って行ってしまいました。
私は視線を、視界の左端へ動かしてPTメンバーのHPを見ました。
ルネリーを初めとした私たち三人のHPは、キリュウさんがずっとタゲを取ってくれていたので、八割方残っていました。でもキリュウさんのHPは既に四割を切って三割近くまで減っています。
――もしかして、HPを回復させる為に戦線を引いたの……?
ですが、ずっとPTメンバーのHPの残量は確認していましたけど、キリュウさんのHPは敵が減るにつれてHPが減る量も
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