SAO編
第一章 冒険者生活
4.違和感の正体
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のソードスキルの連撃。それは正に三閃必殺と言えた。
敵の反撃を受けることもなく、三人交互にソードスキルを放つことで、隙間無く、且つ何連続もソードスキルを放つ三人。
ルネリーの《スラント》、レイアの《ホリゾンタル》、チマの《バーチカル》、またルネリー、レイア、チマ……。
幼馴染だという三人故の息の合った連携。
確実に一匹一匹を秒殺する三人。このままなら、恐らく一時間も掛からずに倒しきることは可能だろう。
問題は、それまで俺がたった一人で、数十匹にもなるモンスターたちの攻撃を避け、受け流し、その上で最後までモンスターの注意を引くことが出来るかということだ。
――いや、出来るか……ではない。やらなければならない。
敵の頭を踏みつけて飛び、敵の隙間を走りぬけ、すれ違い様に擦るような攻撃を放ち敵愾心(ヘイト)を稼ぐ。離れすぎてはいけない。万遍なく、出来る限り全ての敵に注意を奪う一撃を。敵の攻撃を避けながらもギリギリ攻撃が届くか届かないかの所を動き回る。
綱渡りの様な攻防。時折敵の攻撃が体を掠り、僅かにHPが減る。
「…………」
死と隣り合わせなこの状況。しかし、何故か俺の口端は微かに吊り上がっていた。
それからどの位経ったのか。現在では、モンスターの数は既に二十匹程度にまで減っていた。
息苦しさは感じないが、集中力の酷使し過ぎで時折眩暈の様なものも感じる。体感では数時間も戦っているような気もした。
――俺のHPの残量は約四割か。……このまま気を抜かなければ問題無く終わらせることが出来るな。
油断はしない。そうは思ったが、しかし余裕が出来たことも事実だ。
見る限りメンバー全員にも余裕が現れて来ている。リックさんのPTも誰一人欠けることなく、今は数匹のモンスターと対峙していた。
「…………!」
余所見をしている間に四匹のモンスターに囲まれ、同時に攻撃を放たれた。しかし俺は冷静にその内の一匹に突進突きを放って包囲から脱出する。
敵の数が減ったことで、モンスターの頭を踏みつけての頭上跳躍移動は出来なくなったが、同時に隙間も多く出来たので回避はしやすくなった。
「……」
敵の対処に余裕が出来たからか、ふと頭の中にあることが甦って来た。それは、作戦会議中に感じた違和感だった。
――少し、整理するか……。
こちらに向かってくる三匹の亜人の足を薙ぎながら、俺は違和感の正体を探るべく、今回の出来事について最初から思い浮かべた。
昨日、俺たちは森でNPCの少女と遇い、その少女の案内で村まで向かった。その途中で亜人型モンスター《ロウアー・ゴブリン》と戦闘し、その後森側の門から村に入った。更に俺たちが村に
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