SAO編
第一章 冒険者生活
4.違和感の正体
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俺自身(こちら)に一定期間引きつける。
そうすることにより、《あの三人》の攻撃力が活きてくるのだ。
先ほど三人に言い放った《作戦D》というもの。
これは、四人で定めた幾つかの戦法の内、対集団戦の為の作戦だ。
言葉にすれば至極単純。俺が囮になり、敵の意識が俺に向いている内に三人が一匹ずつ確実に仕留める。
俺はソードスキルを苦手としているので攻撃力に難がある。しかし、敵の動きを読むことに優れ、回避や受け流しを得意としている。
逆にルネリー、レイア、チマの三人はまだ正確に敵の動きを読むことは出来ないが、ソードスキルを使った連携により、三人一緒ならば、かなりの攻撃力、殲滅力を持っている。
「ヤ―――ッ!」
複数のスポーツを経験したというルネリーは、敵の急所を突くことに長けている。論理的ではなく感覚で相手の急所を感じ、絶妙なタイミングでソードスキルを当てるというのは、もはや才能と言ってもいい。
得意だという片手剣基本技《スラント》の袈裟懸けの軌跡が、俺に意識を向けているモンスターの急所に吸い込まれる。
「……ハッ!」
レイアは、双子であるルネリーの動きを完璧に把握している。ルネリーがソードスキルを放ったことによる技後硬直に陥るその瞬間を察知し、ルネリーの右側から回り出て、ソードスキルによる一撃を受けて硬直している敵に向かって片手剣基本技《ホリゾンタル》の真横に振り抜く一閃を放つ。普段からルネリーを気に掛けて、その行動をよく見ているレイアだからこそ、本能で動くルネリーの攻撃にタイミング良く追撃していける。
「てぇりゃ――ッ!」
チマは、ルネリーとは違う意味で勘が良い。自称ビビリだというチマは、攻撃するべき時とそうでないタイミングが感覚で解っている。レイアの攻撃の後に自分が攻撃しても大丈夫かどうかを無意識に判断して追撃している。
命の掛かっている戦闘において、引き際というのは最も大事なことだ。通常、素人はそこで見誤る場合が多いが、チマは天性の勘で攻撃の成否を読み取り、ルネリーの左側から飛び出て、得意の剣技《バーチカル》を放つ。更に、引くときも攻めるときも、そうと決めたら思い切りが良いというのもチマの長所だろう。
剣技には強制技後硬直時間というものがある。敵がソードスキルを使ったときに俺がそこを突いたように、この硬直時間は自分たちにとっても大きい弱点になりえる。故にその硬直時間を埋める為に、ルネリー、レイア、チマの三人でのソードスキルの同時攻撃ではなく、連続攻撃を行うことで、互いの弱点を補い合う方法をとった。これは、かの歴史的偉人である織田信長公の鉄砲部隊が使った戦法《三段撃ち》から考えを得たものだ。
意識が俺に向いている格下の敵。硬直時間という隙間を埋めた三人
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