暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
4.違和感の正体
[4/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に俺は眼前で転倒状態になっている一匹のゴブリンの頭を踏みつけて――

「――はっ」

 モンスター蠢く集団の只中へと文字通り飛び出した。







 俺の能力(ビルド)構成は筋力値と敏捷力値では割合で言うと二対三の敏捷力優先に上げている。
 理由は、敏捷力値は反応速度にかなり影響して来るからだ。今のレベルではまだ、まるで水の中で動いているかのような抵抗感を感じる。この体が元々の俺の反応速度に適応していないからだ。攻撃が来ると解っていても、現実と同じ反応速度では体が付いて来れず、思ったように避けることも受けることも出来ない。
 レベルを上げれば敏捷力値も上がり、より速い反応も出来ると思うが、それは一朝一夕には出来ないことだ。一朝一夕で事を成すならば、必然的に初動を速く行うことで速度を補う方法が効果的である。 しかし、それには敵の動きを正確に予測しなければ、逆に窮地に陥りかねない。
 だが此処で、俺の十五年間の鍛錬の成果がその効力を発揮する。
 初見ならまだしも、既に幾度か見た敵の動きを読むことなど、俺には容易い。それが格下ならば尚の事。幾匹居ようが避け続けるだけなら何ら問題は無い。








 俺はモンスターたちの頭を踏みつけながら群れの上を飛び、移動し続けた。
 敵の真っ只中にいる形ではあるが、今の身体能力で出せる全力の速度を持ってして跳躍移動をし続けることで背後からの攻撃は無視、視界範囲の敵にだけ注意を向けられる状態にする。手首で回転させた槍を振り回し、視界に映るモンスターの武器や頭を弾いていく。
 それは、たった一つ判断を誤れば即死が待っている状況。モンスターの頭間を跳躍したときに足を踏み外しでもすれば、群れの只中に滑り落ち、回避不可能な四方八方からの攻撃を死ぬまで受けるだろう。
 しかし、この状況――誰よりも速く先手を取り、多くのモンスターに攻撃を入れ、モンスターたちが《俺だけ》を意識するような状況が、この大規模戦闘を攻略する鍵となる。







 この世界では、モンスターたちの敵愾心を数値化して計算できるという。
 つまり、此方の行動次第で任意にモンスターの標的を変えることも出来るということだ。
 モンスターの敵愾心(ヘイト)を特定のプレイヤーに対して増加させる方法は色々ある。最初に認識したプレイヤー、一番近くにいるプレイヤー、一番多くダメージを与えたプレイヤー、継続的にダメージを与えているプレイヤー、大声を出したプレイヤー、等々。
 俺がモンスターのヘイトを自分自身に対して増加させる為に取った行動は、一番最初に攻撃を入れるというものだ。
 固まっているため満足に動けないモンスターたちの頭上を、適度に攻撃しながら移動し続けることで、モンスターの意識を
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ