暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
4.違和感の正体
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うことだろうか。動物や植物型よりは動きが読みやすいし、単一種類しか居ないので、対処をモンスター毎に変えるということをしなくて済む。

 ……だが、怖くない、と言えば嘘になるだろう。四十匹も居る敵の全てが、ソードスキルを使う強力な攻撃力を持つ亜人型ばかりなのだ。武器の耐久値も心許ないし、なにより俺のHPは現在四割と少しまでは回復したが、逆に言ってしまえばそれだけしか回復していない。つまり、二回、もしくは三回もまともにソードスキルを食らえば……。

「…………いや、どうと言う事は無い」

 しかし俺は首を振って、最悪の事態を否定する。

 ――そうだ。どうと言う事の程は無い。

 あのときの――あの《何もすることの出来ない恐怖》に比べれば、今の状況は最悪には到底程遠い。手も動くし、足も動く。思考末の結論を行動することが出来る。俺は……戦えるっ。
 敵を見ろ。視界に映る全ての情報を整理、有効活用しろ。
 動きを読め。敵集団全体の流れを感じ取れ。
 体を動かせ。一つ所に(とど)まるな。
 祖父との稽古に明け暮れた己の十五年を、信じろっ!!

「さあ…………思考しろっ!!」

 ――生き残る為に。

 俺は己を叱咤し、亜人の群れに向かっていった。




  ◆




「……くっ、はぁぁっ。よぅやっと終わったか……」

 キリュウさんが居なくなった数分後、ネリーが最後の一体にトドメを刺し、モンスターが全て倒されたのを確認した後、リックさんが溜息と共に言いました。数十匹と居たモンスターの大群が光に消えた石橋の上は、まるで最初から何も無かったかのように戦闘の痕跡が見当たりませんでした。しかしそんな石橋の上では、私たち全員が疲労困憊といった様子で、膝に両手を付いたり、武器を支えにして立っていたり、地面に座りこむ人も居ました。

 ふとネリー、チマの二人と目が合い、お疲れ様と言おうとしたとき、三人同時に目を見開いて声を張り上げました。

「キリュウさんっ!」

 突然居なくなったキリュウさん。確か森側の門に行くとか言っていましたけど……。
 私は《エウリア村》のマップウインドウを呼び出し、キリュウさんの位置を確認しようとしました。

「あっ! キリュウさん戦ってるみたいっ、HPがちょっとずつだけど減ってるよ!?」

 視界左端に表示されているPTメンバーのHPを見たのか、ネリーが声を上げました。
 そして、マップを見ると確かにキリュウさんは森側の門に居ました。

「と、取り合えず、キリュウさんと合流しましょうっ」
「う、うんっ」
「そうッスねっ!」

 一体何がどうなっているのか。疑問は尽きませんが、キリュウさんが戦っているのなら、私たちも此処で休んでいるわけにはいきま
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